08/08/12 12:58:43
1978年にバンコクで開かれた第8回アジア大会のアーチェリー競技に、
韓国の女子代表チームが参加した。
国際舞台への初登場だった。韓国は17歳のキム・ジンホが個人戦で金メダルを首に掛け、
団体戦では銀メダルを獲得した。中学2年のときに初めて弓を引いてからわずか2年で
頂点に立ったキム・ジンホは、79年のベルリン国際アーチェリー選手権大会で、
30・50・60メートル、個人総合、団体まで合わせて5冠王を達成した。
世界を驚かせた「神技女子高生」の誕生は、韓国にアーチェリーが普及してわずか20年で
成し遂げられた成果だった。59年に高校の体育教師ソク・ポングンさんがソウル都心の
古物商で捨てられた洋弓を発見し、関心を持った。62年に米軍の中佐がソクさんと一緒に練習し、
アーチェリーの普及に協力した。63年にはソウルの城東中学校にソクさんが指導する
弓道部が初めて作られ、同年、アーチェリーの模範競技と大会が開かれた。
北京オリンピックでアーチェリー韓国女子代表チームが団体戦金メダルを獲得し、
88年のソウル・オリンピック以来、6連覇を果たした。準々決勝で240点満点中231点という
世界新記録をたたき出し、対戦相手のイタリアが「韓国チームはよその星から来た」と舌を巻いた。
84年のロサンゼルス・オリンピックでソ・ヒャンスンが金メダルを初めて手にして以来、
04年のアテネ・オリンピックまで、韓国アーチェリー陣は合わせて14個の金メダルを首に掛けている。
北京オリンピックのアーチェリー競技場を席巻する「コリア」は、選手だけではない。
本戦に出場した49カ国のうち、米国・オーストラリア・マレーシア・コロンビア・メキシコなど
13カ国の監督・コーチも韓国人だ。現在、各国で代表チームを率いている
韓国人アーチェリー指導者は28人になる。世界の選手が使う弓のおよそ40%は、
三益スポーツやウィン・アンド・ウィンなど韓国製だ。男女の世界ランキング5位までの
選手を含めて、10人のうち9人が韓国の製品を使っている。
世界のアーチェリーは、まさに「韓国の天下」だ。
韓国のアーチェリー人口は登録選手が1500人ほどで、選手層はさほど厚くない。
しかし水準の高さは、オリンピックの金メダルを取るよりも代表チームに選抜されることの方が難しい、
といわれるほどだ。代表チームは、服の中に蛇を放り込む軍部隊での訓練で度胸を養い、
風雨や騒音といった悪条件に適応する訓練も繰り返す。そのため韓国の選手は、
北京で弓を引くたびに中国の応援団が笛を吹いて邪魔をしても、全く動揺しなかった。
昨日、中国のアーチェリー女子選手や監督は、
「まさに世界最高の韓国アーチェリーを学びたい」と語った。
その驚くべき精神力を学びたい、という意味だ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 李先敏(イ・ソンミン)論説委員
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