08/07/28 08:37:01
[特別寄稿] 独島解法
~ 和田春樹・東京大学名誉教授
「独島/竹島」が再び大きな問題として韓日関係に姿を現わした。日本の文部科学省は福田首相と
協議して、「我が国と韓国の間には竹島をめぐって互いの主張に差があるという点等を扱い、北方領
土と併せて我が国の領土領域についての理解を深める」と中学校学習指導要領解説書に記述する
ことにした。これが韓国政府と国民の激しい批判と対応措置を呼んだのだ。
こうしたことは2回目だ。2005年、島根県議会が竹島領有100周年として「竹島の日」を制定したこと
が、韓国政府の激しい反発を呼んだ。首脳会談は行なわれなくなった。慶尚北道議会は同年7月に
「『独島の月』条例」を制定して、島根県及び島根県議会との交流を断絶した。今度は大統領が変わ
って、首脳同士のシャトル会談も約束された直後だ。それなのに再びこの問題が生じて外相会談が
中止になり、新任の駐日韓国大使が本国に帰って「東京に帰りたくない」と言う事態になった。
福田首相の介入で、文部科学省の原案だった「竹島は固有の領土だ」という主張を記載しなかった
が、これもその場しのぎに過ぎない。外務省の公式サイトには「竹島は固有の領土だ」と書いてある。
それが日本の国家としての立場ならば、教科書に記載することは当然だ。指導要領の解説書にすら
そう記載できないのなら、「竹島は固有の領土だ」という国論を放棄することを考えねばならない。
問題は明らかだ。竹島が日本の領土と宣言されたのは1905年だ。その時から敗戦までの40年間、
竹島は確かに日本の領土だった。1945年に日本の管轄から脱した後、サンフランシスコ条約でも明
確な処理がなされなかった。1953年からは韓国が実効支配を始め、55年が経過した。
韓国が実効支配をやめることはありえない。韓国にとって独島は「民族の島」「独立の象徴」だ。日本
が竹島領有権を主張すること自体が、韓国人の民族感情を傷つける行動だということだ。2005年と
2008年の2度の事件の経験から、この島の韓国領有を日本が認めぬ限り韓日の和解と協力、友好
は不可能だということが明らかになった。
日本国民はその点から目を背けてはならない。島の周辺漁業権はいくらでも交渉することができるが、
領土要求はもう持ち出してはいけないという点だ。私は2005年3月21日の「ハンギョレ」コラムで、こう
いう方向で日本国民の合意を作り出す必要があると書いた。しかし以後3年間、そのための努力を真
剣にしたのかと反省している。
韓国の政府と国民は、日本の政府と国民に対して、独島の韓国領有を認めることは日本の国益に合
致するものであり韓日協力の道なのだという点を、正面から説得せねばならない。いま日本は、1995
年の村山談話、1998年の韓日共同宣言で、植民地支配の被害と苦痛を反省して謝罪する立場を確
立している。韓国の独島領有権認定こそが、日本の過去反省を完成させて韓日の和解・協力という
新時代を最終的に開くものなのだと説得すれば、日本人も問題解決に向けて進まないわけがない。
そうした動きを直ちに始める時ではないか? 2010年には「韓日併合」100年になる。遅くとも今年には
独島/竹島問題を解決することが望ましい。植民地支配反省の表現として、日本は独島を韓国領土と
認める。韓国側は、韓日友好のための思いやりとして、島根県の漁民に島周辺の漁業権を確かに認
める。このような解決は、今すぐに現実的に必要なものとなっている。言い換えれば、現実的に可能だ
ということだ。
▽ソース:ハンギョレ新聞(韓国語)(2008/07/27 20:21)
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