08/07/21 13:46:18
■風向計:若宮啓文(本社コラムニスト)
『竹島と教科書』 笑っているのは誰か
「いっそ、こんな島は爆破してしまえばいい」と、日本外務省の高官が口にしたのが
韓国側の議事録に残っている。いや、韓国の大統領がそう言ったのだ、という説も根強い。
日韓基本条約の交渉が竹島(韓国名・独島)の領有権をめぐって難航したころの話だ。
結局、この問題は棚上げされて1965年に条約はできたが、ノドに刺さった骨が抜けたわけではない。
その骨が、また激しくうずいている。
李明博大統領と福田首相が日韓関係を前向きに動かし初めた矢先に、何という皮肉だろう。
これに韓国が猛反発した。駐日大使を帰国させたり、日本大使館の敷地に卵が投げ込まれたり。
「表では笑い、裏では裏切る」「厚顔無恥な歪曲」といった言葉が新聞などにあふれている。
ほくそ笑んでいるのは、北朝鮮の金正日総書記に違いない。牛肉輸入の問題で米韓の亀裂が
深まったのに続いて、日韓までこの始末だ。李政権が打ち出した「日米韓の連携強化」は、
労せずしてガタガタではないか。
折も折、北朝鮮兵士が金剛山で韓国人女性を射殺した。日本は拉致問題の解決へ躍起である。
そして、大事な段階にきた北朝鮮の核問題。どれ一つとっても日韓の協力や結束が大事なのに、
いったい何をしているのだろう。
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3年前、島根県の「竹島の日」で騒動になったころ、私は当コラムで
「いっそのこと島を譲ってしまい、『友情島』にしてもらう」との「夢想」を書いた。
おかげで「国賊」ともたたかれたが、思い切ってトゲを抜き、東アジアの自由主義国どうし
絆を固められるなら勘定も合わないか、ものは考えようだ、という発想だった。
それが現実になろうとも思わないが、それにしても、「独島」に寄せる韓国の情念を知りつつ、
なぜまた刺激するのか。小泉政権で決まった方針とはいえ、このセンスはどんなものだろう。
と、しばし嘆いた後で気がついた。待てよ、ものは考えようだ。
(考えた内容は>>2-)
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