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■五輪控え直訴村摘発 連日、500~1500人を送還 北京
7月18日8時1分配信 産経新聞
役人の腐敗、司法の不公正などを中央政府に訴えるために地方から北京に来た農民らが
寝泊まりする通称「直訴村」での摘発が本格化している。今月に入り、「簡易宿舎」も閉鎖さ
れた。北京五輪前に直訴者を地方に送還し、その数を大幅に減らすことにより、北京での騒
乱や抗議行動につながる要素を確実に摘み取る狙いだ。(北京 野口東秀)
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北京南部の直訴村。路上では私服姿の警察があちこちに配置されていた。状況を把握す
るためのようだ。アベックを装った若い男女の警察官もいる。
「直訴者の中にも内通者がいる」。そんな言葉が聞かれる。直訴者同士でも相手を信じて
すべてを話すことができないのが直訴村だ。
大規模摘発が13日から3日間、連続して行われた。17日からは地方当局者が同じ地方
からの直訴者をくまなく捜す作業が始まったようだ。
13日午後10時過ぎ。突然、警察官や保安要員計約30人が車両で次々と現れた。バスな
ど大型車両も相次いで横付けされた。野宿する直訴者を有無を言わせずバスに乗せていく。
腕を背後にねじ曲げられる女性もいる。
連行後はほとんどが地方に送り返される。3日間の摘発で推計500人から1500人規模で
連行されたとみられる。
直訴村では1泊数元(1元約15円)でベッドを提供する簡易宿舎とうどん1杯を1元程度で
提供する簡易食堂も閉鎖された。直訴者は駅周辺や橋の下などで野宿するか、直訴村の周
辺で部屋を借りざるを得ないが、北京での暫定居住証のない直訴者が部屋を借りるのは難しい。
14歳の時に「故意殺人罪」で懲役12年の判決を受け服役、出所した内モンゴル自治区の
男性(28)。男性は当時、10歳と7歳の友人と泳いでいたとき、7歳の男児が水死し、10歳
の友人の証言で実刑となった。「無罪」と「賠償」を求め直訴している。この男性は「昨年の党
大会のときよりもはるかに厳しい取り締まりだ」と話す。
北京市内の直訴村は主に3カ所。ここ南部の直訴村にはかつて、5000人前後、ピーク時
で1万人前後が暮らしていたが、人数は大幅に減った。他の2カ所も相次ぐ摘発で激減、直
訴者は当局の目を逃れ分散して隠れ住む。
公安省はこのほど、北京市の治安維持のため、直訴者を極力減らすよう全国の公安当局
に指示。地方当局は五輪を前に上京しようとする直訴者を阻止するため駅などでの監視を
強化している。
15日、50代の女性が直訴村近くの高架橋から飛び降りて自殺したという。「直訴に絶望し
たようだ」。何人もがこう訴えてきた。
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