08/07/16 18:26:50
★Windows XP販売終了でまたもや国を挙げて大さわぎ
2008年6月30日でWinsowsXPの販売が終わるというニュースは韓国にとって「え、また!」というぐらい動揺を
抑えきれないニュースとなった。Windows 98のパッチ提供終了のせいで電子政府システムを利用できなく
なったり、Vistaの登場でオンラインバンキングやまたまた電子政府システムを利用できなくなって大騒ぎした
のが1年ほど前だった。その時からMS依存度が高すぎる、なんとかオープンソースに切り替えようと話は
持ち上がるものの、いまだに政府や企業の重要なシステムはWindowsとIEを基準に製作されている。
日本もそうだが、韓国もセキュリティや専門性の問題から社内専用ソフトを利用する企業が多い。しかし
Vista環境ではそもそもそれらの専用ソフトが動かないとか、パソコンのシステム要求仕様が高すぎるため、
使用中のパソコンにインストールすると動作が遅すぎて仕事にならないといった問題があることから、
今でもXPを使っているところは多い。
最も問題なのは行政機関がMSに依存しすぎていることだ。韓国政府は電子政府システムを始め、316の
地方自治体の2145システムを対象にVistaとの互換性を点検している。「尻に火が付いた」状態だ。
しかも、政府の公共調達のパソコン規格は2008年9月までXPになっている。7月から3カ月間、調達に参加
しているパソコンメーカーはMSのせいで、規格を満たせないために発生する罰金を払いながらVista搭載
パソコンを納品するしかない。組み立てパソコンは2009年1月までXPを搭載できるが、MSと直接契約して
OEMでWindowsを搭載している大手パソコンメーカーは7月からVistaを搭載せねばならず、調達規格を
満たせないことになってしまうからだ。MSは相手がどんな反応をしようが結局はMSの言いなりになるしか
ないと、市場支配力を悪用している面もある。
さらに、XP販売中止を知らない人が多すぎる。販売中止になってもサポートはしてくれるので、なんとかなる
だろうという心境だ。新聞やネットで告知されてはいるものの、韓国の秋葉原といわれる龍山のパソコン販売店
では7月に入ってからもVistaが搭載されたパソコンをXPにダウングレードしてほしいと要求する顧客がほとんど
だという。
韓国PCバン(PCバンとは韓国のインターネットカフェ)経営研究所の調査によると、2008年4月に全国PCバンで
使用されているパソコン 7455台をサンプルに調べた結果、Vistaを搭載したパソコンはなんと、たった1台も
なかったという。Windows XP HomeとXP Professionalが98%を占めていた。海外でも事情は似ていて、2007年
12月米フォレストリサーチが5000企業を対象に行った調査でも、 XPが89%、Vistaは6.3%しかなかった。
パソコンメーカーの担当者らはMSに不満が多い。「今までWindows 98、XPと新しいOSが登場するとパソコンが
ドカンと売れた。しかしVistaは違う。新しいパソコンを買った人もXPにダウングレードしたり、大口の法人顧客
からはVistaのせいで社内ソフトが作動しない、どうしたらいいんだと苦情ばかり。パソコンを売るどころかVista
苦情係になってしまって困っている」とあるメーカーの担当者は言っている。
ひどいケースでは、Vistaのせいでソフトが動かないのを全てパソコンの問題にして製品の交換や修理を要求
するという。対策として、韓国のパソコンメーカーと販売店ではXPへダウングレードできるようにしてきた。ところが
Windows XPは販売終了してしまうとなると、ダウングレードサービスも早晩中止せざるを得ない。この頃パソコン
が売れないのはVistaのせいだと怒り出す人までいた。OSを開発するMSとパソコンメーカーは仲良くするしかない。
これまで、新しいOSが発売されるたび、それを盛り上げてきたのはパソコンメーカーと量販店だった。しかしVista
は誰にもかまってもらえない状況が続いている。
パソコンメーカーはこれを機に、販売時に搭載するOSは決めず、Windowsでもリナックスでもユーザーが好きな
OSを搭載できるようにしようとしている。今までフリーOSは違法コピーを量産するとして、Windowsを搭載してきたが、
もうMSの尻拭いはしたくないというのが本音だ。 (つづく)
(趙 章恩=ITジャーナリスト)
(PConline/Korea on The Web 2008年7月16日)
URLリンク(pc.nikkeibp.co.jp)
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