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(東京新聞)タイを舞台に人身売買や幼児売買春・ポルノ、臓器密売という衝撃的な題材を描いた
映画「闇の子供たち」が来月公開されます。折しも臓器移植や児童ポルノ問題で政治の責任が指摘
されています。原作者の梁石日さんと「政治の不作為」について考えてみました。記者・清水 孝幸
●清水 梁さんが原作の小説(同名)を発表したのは二〇〇二年。なぜ、当時、こんな目を背けたく
なるような題材を取り上げたのですか。
■梁 私のテーマの一つに(抑圧、捨象された)「アジア的身体」があるわけで、その一つの問題意
識です。当時、日本からアジアにどんどん買春旅行に行っていたこともあったでしょうね。
●清水 六年前の小説を映画化したのに、貧しい国の子供たちの悲惨な現実は「いま」の問題のよう
に感じました。
■梁 むしろ、こういう問題はもっと深刻化しているというか、拡大していると思いますね。ですか
ら、いま映画を見ても、時間的な差異は感じないのでしょうね。アジアだけでなく世界的に見ても、
ストリートチルドレン(路上生活の子供)の数は増えていると思いますね。やっぱり世界的に格差社
会が広がり、深まっているのではないですか。矛盾というものは一番きつい形で、弱者にくるんですよ。
(中略。>>2-5のあたり)
●清水 こうした現実をなくすにはどうしたら。
■梁 まず買わないことです。十年くらい前、フィリピンを訪れた時、十五歳から十八歳までの女の
子がいるという店を見に行ったんですよ。踊りが始まって、しまいには全裸になって、ふっと振り返
ってみると、人がいっぱいよ。もう90%が日本人。日本の商社マンとか旅行に来てる人とか、一見、
サラリーマン。今でもなくなっているわけではないですよ。
●清水 政治は何をすべきですか。
■梁 方法は一つとか二つとかいう話じゃないと思いますよ。いろんな方法を模索しながら(途上国
と)お互い協力し合ってやらないと。例えば、東南アジアを支援する円借款とか無償資金供与とかあ
るでしょう。ああいうのは向こうにいったら、だいたい(役人が懐に)ぽっぽするからね。だから、
ボランティアでもいいだろうし、やり方はいろいろあると思うんです。人間性の根本的な問題だから、
とにかく問題意識を持つことです。
ヤン・ソギル 在日コリアン作家。1936年大阪府生まれ。事業の失敗や放浪生活を経て、タク
シードライバーとなる。そのときに書いた「タクシー狂躁曲」が映画「月はどっちに出ている」とな
り、話題を集める。「血と骨」で山本周五郎賞を受賞。「夜を賭けて」「修羅を生きる」「夏の炎」
「冬の陽炎」など著書多数。
ソース:東京新聞<映画「闇の子供たち」原作者■梁 石日さん Q政治の不作為、感じますか?>