08/07/15 21:09:54 g+qIYk/S
>>959
(朝鮮語→日本語翻訳)
みつきと征四郎は修学旅行中、泰二は合コンで朝まで飲み明かすと連絡。
日々の貧しさ故か、酒を飲む機会が殆どない一志と、
親の厳しい教育のため、酒に飲みなれていないアキ。
一志は、その酒を意外とおいしいと感じた。
アキは、たとえ酔っても一志なら大丈夫だと信じていた。
だから二人して、自分の許容範囲を知らずに、多く飲んでしまったのであろう。
酔いで嗅覚が鈍っていた所為なのか、室内はアルコール臭に満たされていた。
アキが来ると、庭の犬小屋から家の中に入るはずの福が、その異臭を嗅いだだけで酔ってしまい、
玄関のところで気絶してしまった。
「酒の勢い」は、時として歴史を作る。
全人類を巻き込む悲劇を生むと思えば、一組の男女の夜を喜劇へと転じることもある。
酔いの回った二人の間に、会話がなくなって、どのくらい経ったのであろうか。
フゥフゥと苦しそうな息遣いをし、ぺたんと座り込んだアキの前に、いきなり一志がズイっと寄った。
アキのトロンとした目に映った一志の姿に、はじめドキリとしたが、次の瞬間、不思議な安堵感が広がり、
やがて自分にも、つむがれる人類の歴史の一つにやっとなれるという事実に、身をゆだねようと思った。
一志はアキと唇を重ねた。
甘いリキュールの味を、二人は感じ取った。
キスをしたものの、次にどうすればわからなかった。だが、自然と互いの唇を吸いあい、
舌を絡ませあっていることに、二人とも驚いた。
深いキスとともに、一志はアキを畳上に押し倒した。
『…一志君…あたしで何人目…なのかな…』
小さな嫉妬が、なぜかアキの中で芽生えた。