08/07/08 15:34:54
★【奧運(オリンピック).com】(9)「反中か?」外国人を監視せよ
「中国国旗を燃やしたり踏んだりすれば刑事責任を問う」-。北京五輪組織委員会は6月初旬、五輪期間中に
訪れる外国人が順守すべき58項目の「法律ガイド」を発表した。これを読むと、いかに外国人を警戒している
かがよくわかる。
ガイドには、街のイメージを守るため「公共の場所での野宿を禁止」し、「国家の安全や社会の公共の利益を
脅かす行為をする可能性がある者」は入国できない、とある。この「可能性がある者」の基準と判断はむろん、
当局しだいである。
「競技場などで宗教、政治、人種に関したいかなるスローガンを掲げることは禁止」ともある。これは中国の
宗教問題やチベット、ウイグルの独立問題に同調する外国人を警戒しているからだ。そうした映像が世界に
流れては当局もたまらない。つまり、中国の政策に反対する行為は禁止という内容だ。
中国は五輪に向け、国際社会での印象を良くしようと努力してきた。大気汚染の改善、「食の安全」に向けた
指導や検査強化に始まり、ボランティア育成やマナーの向上、衛生改善…。しかし、評価できない面がある
のも事実だ。例えば、中国のマイナス面や敏感な問題を扱う取材や報道をしようとする外国人記者への規制だ。
四川省大地震。「救援」から「復興」へと移行した途端、当局の対応は、外国人記者の比較的自由な取材を
認めた外国人記者規定など存在しないかのように、変わってしまったのだ。被災者に対する取材まで干渉
してきたのである。
徳陽市の張金明・筆頭副市長は校舎の倒壊問題で父兄らに「外国メディアが大げさに騒いでいるが、利用
されてはならない」と語ったという。記者に対しては公安当局者が「なぜ後ろ向きの報道をするのか」「上司
から指示を受けている」「あなた方の安全を守るためだ」と矢継ぎ早に言葉を発した。
4月末、北京の中国外国人記者クラブは、欧米などの記者に対する殺害の脅迫が行われるなど取材環境が
悪化しているとして、中国政府に改善を求める声明を出した。とりわけチベット騒乱に際しては、米国やドイツ
など海外メディアの報道は「偏見報道」だとする反感が国民の間に浸透した。外国人記者クラブは、10人が
匿名による殺害の脅迫を受けたとし、チベット問題に関する取材干渉も50件以上あったとしている。取材干渉
の実数は未報告分を含めるともっと多いだろう。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」も5月末、昨年1年間で北京などに駐在する外国人記者が当局
から脅迫や暴力を受けた事例は、185件にのぼると指摘している。
五輪では外国人記者やビジネスマンだけでなく、入国する外国人観光客も一定の監視対象になるとの見方がある。
「中国の法に従い、プライバシーは守られる」(中国外務省報道官)。しかし、テロや抗議行動の防止を使命
とする関係当局は、中国では違法組織の「法輪功」に関係するか、あるいは同情的な特定の外国人を警戒
することだろう。「違法な宗教活動を行った」「秩序を乱した」などとして、国外退去を命じられる外国人が出る
ことも予想される。
五輪を前に、外国人の数次の査証(ビザ)の発給が厳しくなり、「一般ビザの取得もなかなか難しくなった」との
指摘も多い。こうした動きは、外国人の出入りを抑え、テロリストや“不良外国人”の入国を押さえ込むのが狙い
とみられる。
一方、外国人の方も、中国が五輪開催国にふさわしい国際的な振る舞いができるかどうかを注視している。
(北京 野口東秀)
(写真)四川省徳陽市で取材中に、記者(野口)は、突然現れた「市宣伝部」を名乗る男ら(右の2人)に
〝妨害〟された(山田俊介撮影)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
(MSN産経 2008.7.8 11:55)
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