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■韓国の反米牛肉暴動と中国(2008/7/2)
韓国の大規模で過激な反政府デモが止まらない。デモが象徴する韓国社会の分裂は、内
政の混乱にとどまらず外交的な迷走をも加速するだろう。ちょうど今、韓国を引力圏に引き込
もうと中国が動き始めたところである。
(中略)
朝鮮半島では、国際的勢力図の変化が国内対立を異常なまでに増幅することが多い。大
陸と地続きという地政学的理由からだが、それにしても島国の日本人にとって、大陸の影響
力の大きさは想像しにくい。
近代以前は置くとしても、120年前に日本が急速に台頭し韓国の宗主国、中国と半島で対
立した時、韓国の政界は親中派と親日派に分かれ外国の力を背景に権力を争った。当然、
これが外国の勢力を呼び込むこととなり、日清戦争がこの半島で勃発した。日露戦争はプ
レーヤーが清からロシアに代わっただけの構図で、やはり同半島から始まった。そして、
親日派と親ロ派に分裂した韓国は結局、日本の植民地に転落した。
第二次大戦直後に、日本を打ち破った米国が韓国に独立を与えようとした際も、半島の
人々は親ソ派と親米派に分かれ激しく争った。それは当然、米ソの介入と相まって南北の自
己分裂を引き起こした。
いま、米中が経済面でも軍事面でも競う時代に入った。台頭する中国は、昔の宗属国であ
る韓国が米国の引力圏から脱し自らの側に戻るのが当然、と思い始めている。国家として明
確に主張するかはともかくも、個人としては「それが中華の栄光を取り戻した証拠のひとつに
なる」と語る中国人が増えている。
そして今、期せずして韓国は分裂し始めた。
「また、歴史が繰り返すのではないか」。
韓国の知識人にこう問いかけると、奇妙なことに明快な返事が戻ってこない。少し前までな
ら「韓国の主体性を見そこなっている」、「日本人特有の植民地史観による偏見だ」などと強
烈な反論があったというのに。
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6月29日未明、ソウル中心部で機動隊のバスを引き倒そうとして放水を浴びる抗議集会参加者(共同)
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