08/06/20 23:31:31
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▲シン・ジョンファ東西大国際学部教授
北朝鮮核解決のための六者会談の中心軸である北米関係が進展する中、北朝鮮と日本の関係正常化交
渉も勢いに乗っている。先週開かれた実務会談で北・日は(北朝鮮による)日本人拉致問題に対する再
調査を再開し、代わりに日本は2006年北朝鮮の弾道ミサイル打ち上げ及び核実験以後実施して来た対
北経済制裁の一部を解除する方案に合意した。以前の強硬対峙気流から脱して両国が関係改善のため
の共同努力という友好的な雰囲気を演出したのだ。
(中略=過去の経緯説明)
しかし、日本の反応は北朝鮮の意図とは正反対だった。大部分の日本国民は拉致問題に「怒り」を表
明し、韓(朝鮮)半島植民地支配における加害者としての境遇を被害者に転換させた。
一方、日本政府は北朝鮮を直接的脅威と見做しながら軍事力を強化した。また拉致問題の解決なしに
は国交正常化が不可能だと前提しながら、拉致被害者と家族全員の安全確保と早期帰国、真相糾明、
拉致実行犯引き渡しなどをその解決法として提示した。これに対して北朝鮮は「拉致問題はもう終わ
った事案」という主張を繰り返し、従軍慰安婦に象徴される過去の問題を先に謝罪して償え、と主張
した。そしてこのような北・日対立は6者会談でも繰り返されて来た。
注目する点は、拉致問題が北・日間の主要懸案で拡がって来た過程が冷戦終了後の国際社会の一般的
特徴だと言える民族主義の強化とかみ合って進行されて来たという事実だ。すなわち、拉致問題を巡
る攻防を通じて北朝鮮と日本の民族主義が強化され、強化された民族主義が両国間対立をもっと固
着化させる拡大再生産の悪循環が成り立って来たのだ。
国家存立に民族主義がある程度必要という点は認めても、このような「民族主義の悪循環」は断ち切
らなければならない。まず日本は拉致問題が「現在の人権問題」であるから北朝鮮が主張する従軍慰
安婦など「過去の人権問題」より重要であり、優先して解決されなければならない、という自民族中
心主義から脱しなければならない。そして、普遍的人権次元の観点で過去事清算問題に対さなければ
ならない。
次に北朝鮮と日本は国交正常化を両国間次元のみならず、韓半島と東北アジアの平和構築という包括
的な観点で接近しなければならない。このような時、それぞれの懸案を自国の立場でばかり解こうと
する既存の態度で、どの位解決が可能になるだろうか。このような過程は決して容易ではない。
6者会談主要参加国の積極的な関心と支援も必要だ。北朝鮮と日本の関係正常化は韓半島と東北アジア
の安定と繁栄のための必要条件だからだ。
ソース:ソウル新聞(韓国語)[時事評論]憂慮される北・日民族主義/シン・ジョンファ東西大国際学部教授
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