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■台頭する「仇日」思想 尖閣で強硬姿勢の台湾・馬政権
2008.6.15 20:16
【台北=長谷川周人】尖閣諸島・魚釣島(中国語名・釣魚台)近海の日本領海で日本の巡
視船と接触した台湾の遊漁船が沈没した事故で、台湾の馬英九政権は強硬姿勢を強めて
いるが、背景には5月の政権交代後に台頭する「中華民族主義」に根ざす反日的な「仇日」
思想がありそうだ。
事故発生から2日後の12日、遊漁船の母港がある台北県の周錫●(=偉のにんべんを王
に)県長(知事)が、日本の在台代表機関、交流協会台北事務所前で抗議デモを展開。反日
団体メンバーら60人前後とともに日本政府に謝罪と賠償を求め、馬英九政権の対日姿勢を
「軟弱」と批判した。
外省系(中国大陸籍)で中国国民党出身の周県長は2006年、台湾先住民出身の元日本
兵「高砂義勇兵」の戦没者らを祭る記念碑を、「日本の軍国主義をあおっている」と決めつけ
閉鎖。無関係の慰安婦問題まで持ち出して強硬姿勢を示すなど、厳しい対日史観を持つ急
進的な中華民族主義者と指摘される人物だ。
一方、馬英九総統は周県長らの突き上げに押される形で、尖閣は「中華民国の領土」とす
る総統府声明を発表した。これより先、交流協会の池田維代表が欧鴻錬外交部長(外相)に
日本の立場を説明していたが、その後も劉兆玄行政院長(首相)の「開戦も排除しない」との
発言が飛び出し、欧部長は台湾の在日代表機関、台北駐日経済文化代表処の許世楷代表
の召還と、外交部内に対日関係強化部門として設置された「日本事務会」の廃止を決めた。
駐日代表の召還をめぐっては、過激な対日批判を繰り返してきた台湾メディアの中にも、
外交戦術として「無謀」(中国時報)との指摘も出始め、野党・民主進歩党の蔡英文主席は
15日、「やりすぎだ」と冷静さを取り戻すよう呼びかけた。
しかし、15日夜には反日市民団体の「保釣行動連盟」が尖閣上陸を目指して台湾を出発。
一部立法委員(国会議員)は18日に海軍フリゲート艦で尖閣周辺海域に向かう姿勢を崩し
ておらず、状況はなお予断を許さない。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)