08/06/14 22:29:33 /WKJSIR5
日本人にまじって我々も楽しく食事をした。
冷たいビールや、韓国から空輸した貴重な焼酎まで飲み回しながら「花見」をした。
楽しそうに輪になって談笑する人々、日本茶をおいしそうに飲みながら実に平和に土曜の午後をすごすこれら沢山の人々。
まことに絵のような光景だった。映画みたいに……。
ところが私には、何ともいいようのない憤り、裏切られたような気持が湧きおこってきた。
一向に訳の分からない感情だった。
公園を後にした時、仲間の一人がいった。
「私たちにあんな悪いことをしておきながら、どうして日本人だけがこんなに幸せに平和に暮らせるんだ……」
呟くような彼のことばに、皆一斉に「ああ」といって互いの顔を見た。
そうだ全く。
世界で最もひどい植民地統治をした連中がどうしてああも平和な顔をして、こんなにいい暮しができるんだろう。
田麗玉著 「日本はない」