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農村も大きな被害 ブタ79万頭が死亡 食糧不足が懸念 四川大地震 (1/2ページ)
2008.6.3 11:14
【通済、竜門山(中国四川省)=福島香織】
中国・四川大地震で農村部は壊滅的な被害を受けている。暫定的な統計では四川省の豚肉出荷量の1%にあたる
79万頭のブタが死亡、潅漑(かんがい)施設の損壊による稲作被害は作付面積の5%に及ぶという。
四川省は中国の穀倉地帯だけに、今後の食糧不足が懸念される。
通済鎮の農民、卿三会さん(66)の家は全壊。農作業中だったので屋内に人はおらずけが人はなかったが、
地震で農地が1メートルほどせり上がるのをみて「怖くて地面に伏せた」という。
しかし、「田畑を離れるのが心配」で、避難はしていない。8人家族で、3アールたらずの小さな田畑に米、
トウモロコシを植える。山間の貧しい農村で、水や電気はまだ回復しておらず、テントなど支援物資も
届いていない状況だが、田畑を守るために成都に出稼ぎに出ていた息子たちも帰ってきた。
がれきから木材を探し、自力で仮設住宅を建てて生活している。
竜門山鎮の農民、鎮正裕さん(74)はいったん都市部の彭州市の避難所に避難したが、
やはり家と田畑が心配で戻ってきた。
「家は完全に壊れてしまったが、ジャガイモは花を付けているし、トウモロコシも順調に育ってきている。
作物が盗まれるのが心配だった」
この地域の農家の年収は1万元(約15万円)程度だが、今年はかなり減少することが予想される。
一方、同済鎮で商売をしている余暁波さん(40)は「農民は地震があっても田畑が残るけれど、
私たちは家も全財産も失った」と不満を募らせる。今は「政府が1人35平方メートルあたりの家屋を
建て直してくれる」という情報が心の支えだ。被災地を廻ってみると、都市住民に比べ農民の力強さがきわだった。
中国農業省によれば、農業分野の直接経済損失は現時点で、102億3200万元(1534億8000万円)
と見込まれる。四川省農業当局は農業の損失を最低限に抑えるため、6月5日までに春小麦の収穫と田植えを
終わらせるよう農民にげきを飛ばしている。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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