08/05/29 23:15:07
【烏来(台湾北部)=長谷川周人】台北県烏来郷の公園内に設置された台湾先住民出身の
元日本兵「高砂義勇兵」の戦没者らを祭る記念碑が2006年2月、地元当局によって
封鎖された問題で、県側は29日、地元と初の公開協議を行った。この中で一帯の
拡張工事を行った上で記念碑の封鎖を解除し、撤去した石碑も元の場所に
全面返還することで両者は最終合意した。作業は終わる予定で、
問題は3年ぶりに全面解決する見通しがついた。
県側は同日、記念碑一帯に新たに900万台湾元(約3000万円)と投じる工事計画の概要を発表し、
記念碑を歴史的な観光資源として活用していく方針を説明。日本語の碑文には中国語、
英語、先住民語による訳文をつけ、9月には施工に入るという。
再建後の管理権は土地所有者の県側に移るが、観光客の案内業務など運営は
地元に委託される方向だ。県はまた記念碑を指定観光地とする計画でという。
16年前に建立された記念碑は、敷地を提供した観光会社の倒産で存続の危機に陥った。
これを報じた産経新聞の記事がきっかけとなり、記念碑を「日台友好のきずな」として
存続を求める読者らから3000万円を超える義援金が寄せられ、
2006年2月、現在の県有地に移設された。
だが、移設直後に台湾メディアが碑文を誤訳して報じ、これを下に県側は
「日本の軍国主義をあおっている」と決めつけ、問題は一気に政治化。
中国国民党出身の新任県長(知事)は石碑を強制撤去し、記念碑を封印した。
これに対し、地元側は同年4月処分取り消しを求める訴願を内政部(内務省)に提出、
昨年3月には高等行政裁判所に行政訴訟を起こした。
しかし「烏来郷高砂義勇隊記念協会」のマカイ・リムイ総幹事は29日、訴訟取り下げを
検討する考えを示し、「ようやく日本から送られた善意に応えられる。
訳文などの公正性が保たれるよう県との交渉は続くが、問題は大きな山を越えた」と話している。
産経新聞
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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