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被災地に“水の恐怖”…ダムなど400か所以上で決壊危機
特集 四川省大地震
【北京=河田卓司】
中国・四川省の北川チャン族自治県で17日、大地震で出来た「堰(せき)止め湖」(土砂崩れダム)が
決壊する危険性が高まり、住民が避難する騒ぎがあったが、被災地には巨大な堰止め湖が18か所
出現しており、いずれも決壊する危険がある。
このほか、ダム391か所でも亀裂が走ったり、水漏れが起きるなど決壊の恐れがあり、被災地には
今度は“水の恐怖”が急速に広がり出した。
堰止め湖は、山崩れで岩石や土砂などが河川をせき止めて生じる。四川省水利局のサイトなどによると、
北川県、青川県、徳陽市などにでき、青川県には土砂のせき止め部の高さ40~50メートル、
水深15~18メートル、長さ5~7キロ・メートル、水量推定500万~700万立方メートルという巨大な
ものも出現した。18か所のうち、特に北川県の8か所が決壊の危険性が高いという。
これらの堰止め湖が決壊すれば、下流域は洪水に襲われるため、水利省などは18の堰止め湖すべてに
観測拠点を設け、24時間態勢で水位を観測している。決壊間近と判断すれば、下流域の住民に避難警告
を出す態勢を取っている。
一方、被害を受けた391のダムのうち、紫坪鋪(しへいほ)ダムと魯班水(ろはんすい)ダムが大型ダムで、
ダム本体に亀裂が生じたほか、放水路が陥没するなどした。紫坪鋪ダムが決壊すれば、下流の都江堰の
市街地は水没する。
江油市ではダム135か所で亀裂が生じ、放水施設が壊れた。うち18か所は決壊寸前という。このほか、
重慶市でもダム79か所に被害が出ており、当局は厳重な警戒を続けている。
(2008年5月17日21時02分 読売新聞)