08/05/15 12:07:41
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※続き
■Aさんの場合
東京・江戸川区に住むAさん(77)=日本人=は、在日韓国人の夫と7年前に死別した。
年金はない。
Aさんはかつて、事業をしていた夫の社会保険に入っていたが清算した。この3月までは
息子の会社の社会保険に入っていた。息子の被扶養者として10月までは新医療保険の
請求は来ないが、区役所は「銀行口座から引き落としになるから口座番号を教えてほしい」
と言ってきた。
「ひどいじゃないですか。否応なしに引き落としはやりすぎ」とAさんは憤る。残高を空に
するか番号を教えないか、抵抗したいと言う。
「私のように年金のない人は家族のサポートがなければ無理。年間4万4000円の介護
保険料にプラスされたら、毎月の出費が大変だと思う」
10月にいくらの保険料がくるのかがいちばん気がかりだ。
Aさんの夫は生前、「韓国に帰るんだからムダ」とも言っていたが、「こんなことなら、
早くから国民健保にかけておけばよかった」と悔やむ。
■年金のある人少ない
在日韓国民団江戸川支部老人会のBさん(80)は「くわしいことはわからないが、自分は
全部息子に任せるしかない。どこでもこの話です」と不安を隠さない。
支部の成淑済事務部長は「年金をもらい、収入がきちんとした団員はあまりいない。
また家があっても年金収入のない人がいる。こういう人も困っている。(新制度は)弱い者
いじめ」と批判する。無年金者は、これまで月880円の保険料が月940円にアップする
(東京・新宿区の場合)。
民団中央民生局の陳信之副局長は「無年金の在日韓国人高齢者にかかる負担を縁故者
が支えている。老齢基礎年金さえ受けていない人にも公的負担はかかってくる。問題は、
無年金をなくすというところに帰する」と言う。在日韓国人高齢者は年金受給者より生活
保護を受けている人の方が多いのが実態だ。
623自治体が無年金者に特別給付
在日韓国・朝鮮人の高齢者は、無年金の場合が多い。そのため、民団が中心となって、
救済を要望し、月額1~2万円の特別給付金を支給する自治体も少なくない。
年金制度上救済されなかった80歳以上の無年金の外国籍高齢者に、623の自治体が
特別給付金を支給している。無年金の外国籍障害者には537の自治体が支給している。
(08年1月31日現在、民団中央民生局調べ)
後期高齢者医療制度の場合、その給付金収入も、原則として保険料決定の課税対象
になる。
大阪府後期高齢者医療広域連合の担当者によれば、「当該の給付金は、地方税法の
規定により、雑所得として、その人(後期高齢者)の所得に算入される。が、33万円の
基礎控除があるので、1万円の給付金なら年間12万円で、33万円の範囲内ということに
なるから、実際には対象にならない。収入の多い方も、給付金そのものが適用外になる
はずだ」という。
大阪府下の民団泉北支部や八尾支部などは、高齢者のデイハウスを運営しているが、
「現在のところ、後期高齢者医療制度に関しての話は、何も聞いていない」。
在日韓国・朝鮮人社会の高齢化は速い。新医療保険制度は在日韓国・朝鮮人社会に
大きくのしかかる。