08/05/10 21:42:42
【ジュネーブ=共同】世界貿易機関(WTO)がまとめた、中国に対する最新の貿易審査
報告書の全文が10日、明らかになった。内需よりも輸出と投資に経済の成長が偏り巨額の
貿易黒字を生み出している点など、国際的に問題視される中国の課題を包括的に指摘。
特に知的財産権の保護は不十分で「問題を残している」と批判、違反者への罰則を強化する
必要があるとの考えを示した。
中国との貿易をめぐっては、模倣品や海賊版問題などで一層の対策を求めた日本の
「不公正貿易報告書」が8日発表されたばかり。審査報告書は中国への懸念をWTOも
共有していることを示しており、中国に早急な対策を求める国際社会の声が強まりそうだ。
審査報告書は中国のWTO加盟以来2度目。今月21、23の両日、ジュネーブで
開かれる対中貿易政策審査会合での基礎資料となる。
報告書は中国が国際的な通商ルールへの適応に向け対策を強化していることは評価
しながら、中国の知的財産権保護について、侵害行為を防ぐための罰金や刑事罰が不十分
だとした。
また、都市と農村部の大きな所得格差などの「さまざまな不均衡」が中国経済の特徴だと
指摘。インフレ抑制のため「より柔軟な為替政策」や適正な金融政策の実施を求め、
人民元相場の一段の弾力化を促した。
さらに、持続的な成長を続けるには「多くの社会的、経済的課題を克服する必要がある」と
言明。地域間の所得格差を緩和するため、農業部門から製造業部門への労働力の移動を進める
ことや、医療、年金などの社会サービス充実に向けた政府支出の拡大が必要だと提言した。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)