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中国海産食品の安全性に危機感 米国公聴会報告
2008.4.28 18:32
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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【ワシントン=古森義久】
米国議会の超党派諮問機関「米中経済安保調査委員会」がこのほど2日にわたって開いた公聴会で、
中国の海産食品の安全性問題に対処する米国側官民の悩みが多角的に報告された。米国政府は
有害物質が発見された中国産のエビやナマズに対し昨年から大幅な輸入規制措置をとったが、なお
第三国迂(う)回(かい)などのほころびに苦慮しているという。
同公聴会は24、25の両日、米側の海産食品業界の中心地ともいえるルイジアナ州ニューオーリンズ市で
開かれた。とくに中国からの輸入海産品問題が米国の国政レベルで討議されるのは、米国民が消費する
海産食品全体の8割を占める輸入品のうち中国産が急増して国別では第一位となったが、同時に中国産品の
有害物質含有も急増してきたことによる。
公聴会の冒頭では米中経済安保調査委員会のキャロライン・バーソロミュー副委員長が「中国の養殖海産食品に
とくに有害物質が多く、中国側がその危険を認めようとしないことが問題を拡大している」と述べ、米側での官民の
対策強化を訴えた。
証人としては米国政府の食品医薬品局(FDA)のダン・クレーマー副局長が、ここ数年、米国に輸入される中国の
養殖海産食品にバクテリア防止のための抗生物質系の「マラカイト・グリーン」とか「ゲンチアン紫」という人体には
発がん性など有害な化学物質が発見され、中国側の改善がみられないため、2007年6月に「輸入警報」発令という形で、
すべての中国産養殖のエビ、ナマズ、ウナギ、デイス(コイ科の小型淡水魚)など5種類の海産品の輸入を全面停止
したことを説明した。
同副局長によると、この「輸入警報」措置に対しては輸出業者が自社製品が有害物質を含有していないことを
第三者の機関で証明すれば解除が可能だが、その一方、FDAは同警報に基づき、ここ半年ほどで中国からの
養殖海産食品合計約3000荷を押収した。だが中国側業者は中国産品をシンガポールや香港を経由して米国へ
送る迂回措置を取り始めたため、米側の捕捉が難しくなったという。
民間団体の「食品・水ウオッチ」のパトリック・ウッダール代表も証言し、近年の米国での有害食品による被害が増え、
年間32万5000人が病院で手当てを受け、5000人が死亡しているが、そのうち海産食品を原因とする事例が20%
近くに達すると述べた。
同代表はとくに、中国での海産物養殖場の衛生状態の悪さを指摘し、その中国からの米国への海産食品輸出のうち
養殖産品の比率が増して40%にもなったことを報告し、現状では米国政府の対応に欠陥が多く、米国消費者は中国の
有害海産食品の深刻な危険になおさらされている、と警告した。