08/04/21 08:34:41
【ソウル=黒田勝弘】日本を訪れている韓国の李明博(イ・ミヨンバク)大統領は21日、
福田康夫首相との日韓首脳会談の後、
午後に宮中で天皇・皇后両陛下と会見する。会見では、
李大統領の方から儀礼としてあらためて韓国への招きがあるとみられているが、
日韓の懸案として残っている天皇訪韓問題は依然、難関が多く、李明博政権下でも実現は不透明だ。
韓国側からは元首の大統領が日本を公式訪問しているため、その答礼としての天皇陛下の
韓国招請が歴代大統領から行われてきた。李大統領も日本メディアとの
インタビューで実現に向けての努力を語っている。
李明博政権は反日色の強かった盧武鉉(ノ・ムヒヨン)前政権とは異なり、日本との関係改善、
強化の方針を強調し「過去にとらわれるべきではない」「もう日本に謝罪や反省は求めない」など、
未来志向的な日韓関係を目指している。
しかも大統領選で圧勝し、最近の国会議員選挙でも与党が過半数を占めるなど政権の安定度は高い。
韓国世論も歴史を背負った昭和天皇とは異なり、今上陛下には拒否、否定の感情はほとんどない。
こうした背景から「政権初期に懸案の天皇訪韓を実現させてはどうか」との声が内外にあるのは事実だ。
したがってこの問題は基本的には日本側の判断、決断にかかっているが、日本側には
「まだ積極的に推進しようという雰囲気はない」(ソウルの外交筋)のが現状だ。
以前から最大の難関は「安心して訪韓できるのか」「不祥事はないか」という安全問題といわれてきた。
その意味で最近の「北朝鮮」をめぐる情勢は大きな障害とみられている。
拉致問題などを背景に日朝関係は依然、よくないし、韓国との南北関係も北朝鮮は
李明博・保守政権の誕生で「逆徒・李明博」などと韓国非難を高め雰囲気は悪化している。
こうした状況下では、北朝鮮が韓国世論に対し“天皇訪韓反対”を扇動する可能性は強い。
「北朝鮮情勢の安定がない限り天皇訪韓は難しい」(同)というわけだ。
陛下は日韓共同開催だった2002年サッカーW杯を前に、古代史にさかのぼって
「韓国とのゆかり」を語られるなど韓国へのご関心は高い。
「『できれば陛下のお心を生かしてさしあげたい』との声が日本側の一部にはある」(同)というが、
やはり政治的に情勢はまだ熟していないようだ。
産経新聞
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
羽田空港に到着し、出迎えを受ける韓国の李明博大統領(左)と金潤玉夫人
=2008年4月20日午後5時59分、東京・羽田空港(代表撮影)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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