08/04/19 12:37:00 /KxZot8U
テキストにおこしたので、よろしくお願いします。
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緯度経度:『対日太陽政策のススメ?』 ソウル 黒田勝弘 2008/04/19
韓国の若手外交官が書いた日韓関係に関する論文が最近、ソウルで話題になっている。その内容を
簡単にいうと、「日本人は本質的に過去に対する反省のない国民性の民族だから、謝罪とか反省などは
求めても仕方がない。したがって両国関係の改善、発展のためにはそんな無意味なことをするより、
われわれが一方的に日本の過去を許すという寛容な態度を示す方が効果的だ」というものだ。
論文は北朝鮮にしたように「日本にも“太陽政策”を!」と提案している。
あす日本を訪れる李明博・新大統領も先に「自分としては日本に謝罪や反省を求めるつもりはない」
と明言していることもあって、論文はあらためて関心を引いている。
筆者は現在、外交通商省外交力量評価団に籍を置く鄭然宅チーム長(48)。ソウル大卒で1991年
に入省、これまで日本の早稲田、慶応大への留学や、横浜総領事館勤務など日本経験は6年になる。
論文はもともと「韓日過去史葛藤の診断と解決法の模索ー日本国民性の深層分析を通じ」と題された
もので、外交通商省職員に毎年与えられる大臣賞を昨年受賞し、月刊誌『新東亜』4月号で紹介され、
話題が広がった。ちなみに雑誌での見出しは「日本の国民性では反省不可能/対日太陽政策が唯一の代案」
となっている。
さて論文がいう「過去の歴史について謝罪、反省しない日本の国民性」はどこからきているのか。
筆者によるとまず「万世一系の天皇が統治する神聖な国家という選民意識による自負心」からくる
「無謬性(誤りがない)への執着」があるという。
ついで「ウチとソトを徹底的に区別する集団意識とウチ内部での“甘え”のため、過去の罪は人間的、
個人的に意識されることはない」からという。
さらに、自然災害が多い農業中心社会からくる自然順応的現実主義によって
「過去を忘れ“長いものには巻かれろ“という歴史に無知な非歴史的国民性ができた」から、ともいう。
そのほか古代史以来の韓国(朝鮮)に対する優越感や、先の戦争にかかわる敗戦国としての根強い
被害者意識も影響しているとか。
そして、日本人の歴史認識は「このような彼らの精神の深層構造に存在する固有の日本的要因」
からきているので、「われわれの期待とは異なり変化の可能性はない」とし、
全く新しい対日政策が必要という。
そこで出てきたのが韓国が近年、北朝鮮に対して実施してきた
「過去の罪は問わず許しと包容の太陽政策」の日本への適用案というわけだ。
筆者に会って話を聞いてみたが「韓国は“井の中の蛙”です。日本に比べ、すべてに基礎がなって
いない。われわれに今、必要なのは日本批判や悪口、歴史的被害者を理由にした道徳的優越感など
ではなく、心を開いて日本を知り、日本に学び日本に追いつくことだ。それがわれわれの利益です』
と熱弁を振るわれた。
それにしても「“謝罪と反省を知らない国民性”などというのはどうかな。
それこそ韓国人が好きな対日道徳的優越性という民族的快感ではないのか?」と嫌みを言ってみた。
これに対しては「自分なりに日本人の国民性について客観的に研究してみた結果です。
ただ、韓国国民に対しては、この前提があってこそ対日姿勢の転換を呼びかけることができるという
こともある」と言う。
同じ意味だろうが、論文でも「われわれの(日本に対する無条件の)許しの心はわが民族の品格を
高め、限りない誇りになる」としている。
彼も“過去離れ”を目指し、国内世論説得の理論および心情に苦労しているのだ。
だから「どうしようもない日本人の国民性」論に首をかしげるより、
この際“過去離れ”に向けた努力の方を評価してあげたい。