08/04/07 12:18:16
★中国の中産階級：下流化はやだ！焦慮性神経症を発症
日本から『下流社会』という本が紹介され、昨年は中国国内でも話題を呼んだ。『下流社会』が中国でも人気に
なった一つの要因としては、社会の階層集団という問題をテーマにしているからである。これはもとよりもっとも
関心を呼ぶ問題の一つで、中国国内でここ１０年来、学術界や一般にも容易に注目される。
中国には昔から「三教九流」という言い方があり、人間を上九流、中九流と下九流に分けて考える。「上流社会」
の概念は広く知られているが、「下流社会」という表現はずっとなかった。
三浦展氏の『下流社会』によると、日本社会は二極分化されつつ、Ｍ型構造になっているという。
日本の団塊ジュニア世代は現在の社会的な圧力のもと、「人生全体に対する情熱が低く」、どんどん「下流化」
していく。目立つ特徴としては低所得、ということだけではなく、コミュニケーションスキル、生活能力、仕事願望、
学習願望、消費意欲などが全面的に低下しているという。
三浦氏の述べたような日本社会の変動が、日本の中流社会の情緒障害また動機欠如を示しているとすれば、
中国社会の変動の特徴はそれとは完全に異なる。中国の中産階級にみられるのは神経症に近く、社会的な
焦慮とも言える。
社会階層を研究する社会学者は中国で二極分化が加速していると認めているが、日本のＭ型と違い、ピラミット型
であると指摘する人が多い。一部には逆Ｔ型だと考える人もいる。つまり、下層部が巨大で、中間層が不足という
状態だ。ピラミッドにせよ、逆Ｔ型にせよ、中国のもともと少ない中産階級は、上に行く道はとても厳しく、いつの間
にか下層に堕落するリスクに直面している。それは中国の中産階級の焦慮性神経症の発症要因になっている。
中産階級の焦慮は身分の焦慮に基づいたものである。中国で「中産階級」ということは強い理想的なものとして、
多くの人の夢になっている。人々の夢はそれぞれ違うので、中産階級についての標準も一本化できないわけである。
中産階級の標準は最も認められない、最も確定しにくい標準になっている。収入のほか、学歴、社会地位もみな
重要な指標であると学者は考える。しかし、自分が中産階級だと思う大学の教授がどれほどあるか。自分が中産
階級であると思わない中小企業のボスがどれほどあるか。一部の大金持ちは自分がただの中産階級だと思っている。
一部の財力とネットワークを持つ官僚は自分はただの公務員に過ぎないと思っている。
中国の税務部門は年収１２万元（約１８０万円）以上の人に対して申告制度を施行している。それは中産階級への
一つの待遇のようになっている。自分の銀行口座の貯金残高と住宅価格の高騰を比較すると、１００万元
（約１５００万円）の資産があっても自分が中産階級だと言えるかどうか。中産階級者の焦慮は主に認めたくないこと
によるものだと言える。中産階級の判定基準の上昇は彼らが歩むスピードより速く、あるいは彼らは自分が下層に
属することを認めたくないのだが、本当に中産階級であるかが確認できない焦りもある。中産階級者はこんなばつの
悪い状況の中で自分の立ち位置を見失っている。（つづく）
（写真）２００５年１２月に北京で開催された中国の中産階級基準を論じ合うシンポジウムのもよう。（執筆者：祝斌）
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（中国情報局 2008/04/06(日) 08:38:00更新）
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