08/04/03 18:45:18
中国が北京五輪開会式に、天皇、皇后両陛下をはじめとする皇族方の出席を要請していた問題で、
日本政府は1日、この要請を受諾しない方針を固めた。中国製ギョーザ中毒事件や膠着(こうちやく)状態の
東シナ海のガス田共同開発問題に加え、チベット騒乱など不安定要因が多く、時期尚早と判断した。
開会式への出席では欧州各国に参加を辞退する動きがある。日本政府から開会式に誰を派遣するかは
「全くの白紙状態だ」(外務省幹部)という。
この問題には、宮内庁と外務省はもともと消極的で「2月のギョーザ事件以前から、皇族方にはご出席を
要請しない方向だった。国際的に注目されるチベット騒乱が起きた今はなおさらだ」(政府関係者)としている。
一方、首相官邸は態度表明を保留していたが、3月27日の参院内閣委員会で、岩城光英官房副長官が、
自民党の有村治子氏の質問に「諸般の事情を踏まえつつ慎重に検討する」と慎重姿勢を明らかにしている。
中国は昨年1月、当時の王毅駐日大使(現外務次官)らを通じ、政府・与党に、非公式に皇太子ご夫妻の
開会式出席を要請。また同年4月には、訪日し、陛下と会談した温家宝首相が「ぜひ、陛下と皇族の方々に
おいでいただきたい」と要請していた。これに対して陛下は通常通り「自分の外国訪問は政府で検討することに
なっています」と話されていた。
北京五輪で中国側は「アテネ五輪の時に(集まった)各国の指導者、元首は六十数人だったが、北京は
この数を超える」などとして、元首招聘(しようへい)を進めている。
両陛下は平成4年、天安門事件で国際社会から孤立していた中国を訪問された。これには「日中関係を
非常にしっかりした盤石なものにした」(河野洋平衆院議長)との評価はあるが、中国の銭其●元外相が
回想録で「中国が西側の制裁を打ち破る最も適切な突破口となった」と記したように、「ご訪問が中国に利用された」
(閣僚経験者)側面は否定できない。
さらに江沢民前国家主席は、両陛下ご訪問後も「反日教育」を強化し、反日デモが繰り返されてきた。
北京五輪開会式では、ドイツやチェコ、ポーランドなどの首脳が欠席を表明しているほか、英国の
チャールズ皇太子も不参加を明らかにしている。
●=「深」のさんずいを「おうへん」に
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