08/03/30 07:11:53 WmXLc+LA
オンモンとは、日本におけるかなの発明に遅れること600年、
字体と音価はパスパ文字、構成法は契丹小字をもとに作られたとされる(※)表音文字です。当初は、
>自古九州之内、風土雖異、未有因方言而別爲文字者。唯蒙古・西夏・女眞・日本・西蕃之類、名有其字、是皆夷狄事耳、無足道者
(訳:昔から諸地域は風土が異なるが、方言に基づいて文字を作った例はない。
モンゴル・西夏・女真・日本・チベットなどは文字を持つが、これらはみな未開人のなすことであり、言うに足るものではない)
といった見方が根強く、蔑まれました。
※ 河野六郎筑波大学名誉教授、ガリ・レッドヤード米コロンビア大学名誉教授、西夏文字の解読で知られる西田龍夫京大名誉教授ら
■パスパ文字との比較
URLリンク(en.wikipedia.org)
★オンモン作成は愚民に正しい中国語を学ばせるため
■世宗(『訓民正音』序)
「國之語音異乎中国 與文字不相流通 故愚民有所欲言 而終不得伸其情者多矣。
予為憫然新制二十八字 欲使人人易習便於日用耳。」
(我が国の語音が中国と異なり、寛治とは互いに通じないので、
愚民が言おうとするところがあっても、その意志を表すことの出来ない者が多い。
そこで予が之を哀れんで新しく28文字を作ったが、
これは人々が習い易く日常に使うのに便利なようにしたものだ。)
■世宗(オンモン作成に反対する臣下の「諺文創制反対上疏文」に答えて)
「若非予正其韻書、則伊誰正之乎。」
(もし余が韻書を正さなかったならば、誰が正すというのか?)
■オンモン作りに参加した申叔舟(『東国正韻』序文)
「矧吾東方、表裏山河、自為一区、風気巳殊於中國・・・文字之音・・・亦必有自牽於語音者、此其字音之所以亦随而變也。」
(いわんや我が東方は、内外に山河が、自ら区画を為しており、気候や発音が中国とは異なり、
これにしたがって漢字の音も自然に、我が語音に引かれて変わるようになる)
「若不一大正正之、則癒久癒甚、将有不可救之弊矣。」
(一度、これを大きく修正しないと、時が経つに連れて混乱がひどくなり、修正できない弊害が起きるだろう)
※ 『東国正韻』1447年完成(オンモンは1446年公布)
■オンモンの体系は・・・
※ 初声字の基本17字とそれを並書した6字を合わせた23字は中国音韻学の五音三十六字母の体系と符合するように作られている。
※ 諺解本ではこれに朝鮮語にはない中国語の歯頭音と正歯音を表記するための字を設けた部分が加えられている。