08/03/24 22:26:17
自宅の物置から現金約58億円の札束が見つかった大阪市生野区の姉妹による脱税事件。
外から見れば普通の家の普通のガレージ。しかしシャッター1枚隔てた向こう側は、誰も見た
こともないほどの札束の山だった。大阪・ミナミにも進出し、一代で資産を築いた父親の預金を
コツコツと解約しては箱や紙袋に入れて無造作に積み上げていたという、驚くほど単純な手口。
捜査関係者も「自宅に隠していた動機は判然としないが、火事でも起きたらどうするつもり
だったのか」とあっけにとられる事件だった。
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■適当な脱税
大阪市生野区のコリアンタウンから歩いて数分のところに、李初枝容疑者(64)=相続税法違反で
大阪地検特捜部に逮捕=の自宅が建っている。敷地面積約82平方メートルの一般的な2階建て住宅。
玄関脇に、今は物置として使用されているガレージがある。
「確かに高そうな着物を着てた。そやけどそんなにお金を持っていたとは。
近所でも人さまの家の中まで見ないからねえ」。近所の人たちも驚くやら嘆息するやら。
段ボール箱や菓子箱、紙袋…。それらは「脱税用」に購入したわけではなく、身近にあった食料品や
飲料の箱を用いていた。形も大きさもふぞろいで、どの箱にいくらが保管されているか記した明細の
ようなものもなかった。あり合わせの入れ物に、適当に詰め込むやり方だ。
一般的な脱税事件では、現金は床の下に隠したり、庭の木の近くに埋めたりと隠蔽工作に汲々と
しているケースがあるという。しかしそれさえも普通の感覚だと錯覚させる李容疑者のやり方。
あまりの巨額さに金銭感覚がマヒしたのか、隠蔽工作などという込み入ったことをした形跡はなかった。
しかも札束を詰め込んでいた数十箱の段ボール箱はガレージに長期間放置されていたため保存状態は悪く、
中には湿気でよれよれになった紙幣も数多くあったとか。このため金額の計測には数日間を要したという。
ある捜査関係者は「自宅に隠すのは手口としては単純。しかし、書類や取引の
形跡が残らない方法なので捜査側にとっては分かりにくい面もある」と話す。
■現金あるの忘れてた
「自宅に現金を保管していることを忘れ、申告するのを忘れていた」
李容疑者は特捜部の調べにこう答えているが、当初は「父親と一緒に仕事をしてきており、
自分の分のお金も含まれている」などと、脱税の犯意を否認していたという。
関係者などによると、李容疑者の父親は戦前は家内工業をしていたが、昭和29年3月、貸金業や
不動産賃貸業を営む会社を興した。これを足がかりに関係法人7社を次々に設立し代表者に就任。
貸金、不動産賃貸のほか旅館業や映画館の経営などにも乗りだしたほか、大阪・ミナミの中心部で
テナントビルを所有して多額の賃料収入を得るなど、一代で財産を築いた事業家だった。
近所の主婦(62)は「この近くに会社があるけど、貸金業で稼いだお金でその周辺の土地をいくつか
所有するようになったみたい。それで駐車場やアパートを経営してお金持ちになったと聞いたことが
あります」と話している。
(>>2以降に続く)
ソース:MSN産経ニュース 2008.3.21 00:42
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