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【グローバルインタビュー】「世界中のチベット人は3月10日を忘れない」英人権団体幹部
2008.3.22 16:00
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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ブラウン英首相が英下院答弁でチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世と会談する意向を
表明したことについて、国際人権団体「フリー・チベット・キャンペーン」(本部・ロンドン)のアン・ホームズ
代表代行は、「中国政府がチベット亡命政府と誠意を持って対話を行うよう、英国が主導的役割を
果たすことが重要だ。対話は第三国で行われるのが理想だ」と述べ、チベット問題に国際社会が
関与する必要性を指摘した。(ロンドン 木村正人)
--ブラウン首相は、電話で会談した中国の温家宝首相が、「ダライ・ラマ14世が独立を支持せず
暴力を放棄するなら対話に入る用意がある」との立場を示したと答弁で語ったが
「中国政府はこれまで実質的な対話に応じず、武力を行使してきた。独立した監視機関が対話の
誠実さを保証することが極めて重要だ。ノーベル平和賞の授賞式が行われるノルウェーの首都オスロ
などが理想的だ」
--今年5月のブラウン首相とダライ・ラマ14世の会談は、英国教会の宗教上の最高指導者、
カンタベリー大主教の公邸で行われるとも報じられているが
「英首相とダライ・ラマ14世の会談は、人権問題が英社会にとって重要であることを中国政府に伝える
最大のメッセージになる。会談は英首相官邸で公式に行われると想定している。われわれも詳細が
公表されるのを待っている。19日に英首相に手紙を出し、中国チベット自治区での海外メディアの
取材活動を許可するよう中国政府に働きかけることを要請した」
--チベット人の暴動を中国当局が武力弾圧したことについて、ミリバンド英外相は「双方の抑制」と
「対話の継続」を求めた
「自治についてチベット亡命政府は20年間にわたり中国政府との対話を試みてきた。
しかし、中国政府は誠意を持って応じてきたわけではない。外相が対話の必要性を説くのは結構なことだが、
これまでずっと求められてきたことだ。今、必要なのは国際社会が中国政府に対し誠意ある交渉に応じるよう
求めることだ」
--チベット自治区ラサやインドの各地で一斉に抗議活動が起きたが、事前に組織されていたのか
「まず3月10日が、世界に散るチベット人にとって大変重要な日であることを理解すべきだ。
チベット動乱が起きた1959年のこの日、ダライ・ラマは亡命せざるを得なくなった。
インドであれチベットであれ世界中のいたる所でチベット人は毎年、この日を思い起こす。
だからチベット人社会が存在するところで抗議活動が起きた。
平和的な抗議で始まったが、チベット自治区では中国治安当局に僧侶らが容赦なくねじ伏せられた」
--今年夏に北京五輪が開かれることと関係しているのか
「中国当局は情報がチベット自治区を出入りするのを阻止するため、あらゆる手段を用いている。
しかし、北京五輪が近づき、中国とチベット自治区のひどい人権状況に世界が目を向ける絶好の時期だ
ということをチベットの人々は知っていた。投獄され、拷問され、命さえを落とす危険があるにもかかわらず、
彼らには行動を起こす理由があった」
--2006年7月、中国青海省とラサを結ぶ高原鉄道「青蔵鉄道」(総延長1956キロ)が全線開通し、
ラサへの漢民族の移住者が急増、小売業などを独占し始めたためチベット人の間に不満が高まり、
一気に爆発したとの報道があるが
「青蔵鉄道は2つの理由から巨額の費用を投じて建設された。1つは漢民族入植者を猛スピードで
チベット自治区に送り込み、チベット人より漢民族の人口を増やすためだ。もう1つの理由はチベット
自治区の天然資源を運び出すためだ。(鉄道ができた)結果、中国語がよどみなく話せないチベット人は
きちんとした生活を送るのは不可能になった」
--国際社会は北京五輪をどう扱うべきか
「国際オリンピック委員会(IOC)は五輪の聖火がエベレストに運ばれるのを止めるべきだ。
聖火は中国の一部ではないチベットを通るべきではない。国際社会はこの機会に、中国政府に
亡命政府と誠意を持って交渉するよう明確に要求すべきだと考えている」