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放たれたヤギ大繁殖、魚釣島の希少種が絶滅の危機
URLリンク(kyushu.yomiuri.co.jp)
中国、台湾と領有権争いが続く沖縄県・尖閣諸島の魚釣島で近年、がけ崩れが増え、
貴重な動植物が全滅の危機に直面していることが、富山大の横畑泰志准教授(動物生態学)の
人工衛星写真を使った調査でわかった。
原因は、かつて放たれたヤギの大繁殖。植物を根こそぎ食い荒らし、荒廃が進んだらしい。
横畑准教授は「領土問題で立ち入れず、保護策がとれないのは残念」としている。
17日に福岡市で開かれる日本生態学会で報告する。
魚釣島は面積約4平方キロの無人島。環境省が絶滅危惧(きぐ)種に指定しているセンカクモグラ、
多年草のセンカクカンアオイなど尖閣諸島に固有の動植物15種や、セスジネズミなど約20種の
希少生物が過去に確認されている。
日本の政治団体が1978年、非常用の食料として持っていった一つがいのヤギを放したところ大繁殖、
91年に行われた最後の上陸調査では島南斜面だけで約300頭いた。今は1000頭を超す可能性もある。
横畑准教授は2000年以降、人工衛星写真で植生を調査。同年にはすでに沿岸の草地がほぼなくなり、
裸地が13・6%を占めていたものの、70年代の航空写真と比べ、山地には大きな変化はなかったという。
ところがその後、山地でがけ崩れが多発し、裸地は20%程度まで急拡大した。
昨年10月に植物の成長の度合いを示す「植生指数」を計測すると、近隣の沖縄県の
島の半分しかなかった。
貴重な生物の現状は不明だが、固有種の草類はヤギに食われて絶望的とも見られ、
モグラやサワガニも土地の荒廃で追い詰められている可能性が高いという。