08/03/16 01:37:31
【正論】評論家・鳥居民 「反日」懸念残る国民党候補
■当選なら「尖閣」で中国と共闘?
≪「尊敬する国」の1位≫
いうまでもなく、日本と台湾とのあいだには国交はない。だが、両者の人びとのあいだには互いに通い合う温かな
感情がある。台湾人は遠い親戚(しんせき)の叔父や姪(めい)と会ったような懐かしい気持ちを胸に日本人を招じ
入れる。日本人は遠く離れた故郷の昔なじみに再会したような喜びを感じて台湾人を迎える。
これは日本語がわかる年老いた世代の台湾人と日本人との交流だけのことではない。
台湾の駐日代表、許世楷氏の夫人、盧千恵氏は昨年春に、「私のなかのよき日本」と
題する半生を綴(つづ)った自伝を東京で刊行した。そのなかで、あるデータを紹介している。
それより少し前に台湾の月刊雑誌が発表したアンケートの結果である。台湾の20歳以上の1000人の人びとに、
「旅行したい国」「移住したい国」「尊敬する国」を尋ねた回答である。いずれも1位は日本である。2位がアメリカだ。
台湾の総統選挙に与党・民進党から立候補している謝長廷氏が来日したときも、東京で開かれた
歓迎パーティーでこのアンケートを取り上げ、台湾人は日本人の美点をはっきり認めているのだと語った。
謝氏は台北市の古い下町の生まれ、日本に留学、京都大学の出身である。
≪16日に与党系のデモ≫
だれもが自分が正しく振る舞っていることを認めてもらいたいと望み、自分たちの生活と文化の良いところを評価して
もらいたいと願っている。だからこそ、われわれは台湾人が日本人に抱くあふれる善意に感謝の気持ちを持つのである。
だが、日本が隣り合っているのは台湾だけではない。反日と侮日を説いて国民を扇動することは、
それこそ興奮剤、栄養補給菓子を与える以上の効果があると信じる為政者がいれば、独裁の暴虐の
歴史を覆い隠すためには日本がおこなった残虐さを児童に教え込むことが不可欠と考える指導者もいる。
ところで、そのようなやり方を真似(まね)たいと望む政治家が台湾にも
登場する恐れがある。22日の台湾総統選挙が近づいているのである。
台湾の政府与党、民進党は16日に100万人を動員するデモをおこなう予定だ。3年前の同じ3月に中国政府が定めた
「反国家分裂法」に抗議するデモである。その6日あとに投票日が迫る。
謝氏と争う野党の国民党候補は馬英九氏である。祖父から3代つづく国民党員、当然ながら大陸系である馬氏は、
統一はしない、独立はしない、戦いはしないのだと主張している。かれが台湾の総統になったとしたら、まずなにを
やろうとするのか。反日を扇動することになるのではないか。現在、かれはそのようなことを語っていない。だが、
過去にかれがやってきたことを見れば、その恐れはあるし、自分がなすべき仕事だと思っているのでは、と私は見ている。
2人の台湾人の総統、李登輝氏と陳水扁氏はこの十数年のあいだに、台湾から蒋介石を消し去り、中国を
取り去ってしまった。これを元に戻そうとして、中国賛美を声を限りに叫んでも、いかなる効果もない。
日本を誹謗(ひぼう)し、反日を宣伝することからはじめなければならない。そして台湾人の国民党員の
反対や批判の声を抑えて、それをおこなう方法がただひとつある。
(>>2以降に続く)
ソース:MSN産経ニュース 2008.3.14 02:47
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