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【食にメス】原料原産地表示 隠されてしまう中国産
2008.3.6 07:48
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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加工食品の原料原産地(原材料の原産地)表示の対象品目を増やすべきだという声が大きくなっている。
中国製ギョーザ中毒事件に関連して「中国産の具(野菜やひき肉など)を使っているのに、表示されていないので
消費者にはわからなかった」ことが大きな波紋を呼んだのである。
中国産の材料を使って中国国内でギョーザを製造すると「原産国・中国、輸入者・〇〇」と表示される。
生協やJTという名前を信用して買っていた人も、最近は「原産国を確認するために袋の裏の表示を
見るようになった」ようである。
しかし、中国産の具を使っているのはそれだけではない。中国産の具を日本に輸入して、日本でギョーザを
製造すると、どこにも中国産の文字は表示されず、単に「製造者・〇〇」と日本企業の名前が表示される。
日本で作られているが、ギョーザの具の産地(原料原産地)が表示されていないので、国産の野菜を使って
いるのか、中国産の野菜を使っているのかはわからない。
さらにこんなケースもある。中国産の具を中国からタイに運んで、タイでギョーザを製造すると
「原産国・タイ、輸入者・〇〇」と表示される。表示だけ見ると、タイ産の具で作られたギョーザのように見えるが、
具に使われている野菜などの産地がタイだという保証はない。
原材料が国を行き来すると原産地が隠れてしまう。まさに原産地ロンダリング(洗浄)といえるだろう。
こうした現状の食品表示は問題だとして、東京都は「加工食品すべての原料原産地の表示を義務付けよう」と検討した。
しかし、食品業界や国の「手間や労力がかかり売価に跳ね返る」とか「文字数が多くなり表示スペースがない」など、
現実的でないという声に押され、冷凍食品など2、3種類の検討にトーンダウンしてしまった。
確かに、すべての加工食品を対象にするのは無理があるが、いきなり2、3種類に減らす必要はない。
冷凍食品であっても、原材料の種類が多いので、手間や労力はかかる。最初から「現実的でない」と
あきらめるのではなく、「どうしたら表示できるのか」を考えるべきである。現に、原料原産地表示の対象と
なっているカット野菜ミックスの場合、5種類、7種類の野菜であっても表示している製造者がいる。
要するに「消費者のために表示する意思があるかどうか」だけのことである。
国民生活審議会の答申案でも「原料原産地表示の拡大」が検討されているが、業界や国の圧力に屈することなく、
できるだけ多くの品目に義務付けるべきである。同時に、原料原産地表示の対象外となっている外食、中食(なかしょく)
(弁当・総菜など)、裸売り商品の義務付けも検討すべきである。(食品問題評論家 垣田達哉)