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特検の捜査で揺らぐサムスン(上)
サムスン・グループは先月29日、上半期の新入社員募集広告を出した。しかし募集期間の4日前になっても、
広告には採用する人数についての記載はなかった。要するにまだ決定を下せていないということだ。サムスン・
グループの関係者は、「投資や事業計画も立てられない状況で、人材を活用する計画が出るわけがない。
だからといって手をこまねいていては優秀な人材が奪われそうなので、取りあえずは募集広告を出した」と述べた。
実際のところはライバル企業を意識して、後に付いていくのに精一杯と告白したようなものだ。
サムスンが動揺している。特別検察による捜査の対象は、李在鎔(イ・ジェヨン)専務、李鶴洙(イ・ハクス)副会長、
金仁宙(キム・インジュ)戦略企画室社長ら首脳部にまで及んでいる。李健煕(イ・ゴンヒ)会長(写真)の召喚も
カウントダウンに入った。経営の空白状態は明らかで、日本を中心にしたサムスンに対する攻勢の動きも本格化しつつある。
◆深刻な経営空白状態
サムスン・グループのある幹部は最近、「今や外見を取り繕うことはできない。経営の空白状態から来る被害が
目に見えてきた。特別検察もいいが、経営の空白だけは最小限に止めなければならない。本当に苦しい状況だ」
と語った。被害はさまざまな形で表れている。まずは役員の出国禁止により海外企業との交渉ができないという点だ。
半導体事業を統括する黄昌圭(ファン・チャンギュ)社長、権五鉉(クォン・オヒョン)システムLSI社長ら主な役員らは、
出国禁止措置により海外の協力企業との会合など、重要な日程を相次いでキャンセルしている。
投資のチャンスを逃しているとの指摘も説得力がある。経営陣による意思決定の遅れによるものだ。サムスン電子の
役員は、「メモリー半導体は今年7 兆ウォン(約7700億円)の投資を予想しているが、具体的な計画がなく投資の細かい
内容はまだ決まっていない。投資のチャンスを失った場合、競争力の喪失が心配される」と述べた。液晶8‐2ラインへの
投資はすでに頓挫している。当初は2兆9000億ウォン(約3197億円)の投資計画があったが、取締役会が延期されたこと
から具体的な投資のスケジュールは決まっていない。サムスンSDIもアクティブマトリックス式有機液晶ダイオード
(AMOLED)への 2期投資計画を今年1月には決める予定だったが、実際の決定はまだ下されていない。同社の関係者は
「役員の出国禁止で日本企業との交渉が進んでいないからだ」と語った。
ソース:朝鮮日報 李光会(イ・グァンフェ)記者 申東薫(シン・ドンフン)記者 2008/03/03 10:42:46
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特検の捜査で揺らぐサムスン(下)
◆サムスンの2008年は前途多難
人事が遅れ、今年1年が失われてしまうとの不安感も高まっている。昇進対象となるベテランの次長や課長クラスはまだ
一人も昇進できていない。昇進の遅れによる賃金未払いは昇進後に支払うと会社側は約束しているが、問題は人事と同時
に進められる組織改編も先送りされ、新規事業の推進に問題が生じているという点だ。サムスン・グループのある関係者は、
「特別検察による取り調べが長期化し、新しい人事が5月や6月にずれ込んだ場合、夏の休暇が過ぎればすぐにでも下半期
に突入するが、この時期には来年の新規事業についての計画を立てなければならない。サムスンに2008年はもう存在しない
も同然だ」と悲観した。
◆対外的な信頼度が急落、回復にどれだけ時間がかかるかも不透明
サムスン・グループ系列企業のある関係者は、「以前ならサムスンという名前を口にするだけで進んだような仕事が、最近は
思い通りにいかない。経営状況と特別検察による捜査の進み具合まで問いただしてくる取引先が多くなった」と告白した。
グループの別の幹部は、「半導体、携帯電話、ディスプレーなどの主要な事業分野では業界全体に急激な変化が起こって
いるが、今のような状況では機敏に対応することができない。特別検察による捜査が終わっても、これまでに失われた時間を
挽回(ばんかい)するのには相当の時間が必要になるだろう」と予測した。
ソース:朝鮮日報 李光会(イ・グァンフェ)記者 申東薫(シン・ドンフン)記者 2008/03/03 10:43:43
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