08/02/03 11:23:43
“殺人ギョーザ”で北京五輪重大危機…開催危ぶむ声も
「迷宮入り」か「個人の仕業」にするしか…
URLリンク(www.zakzak.co.jp)
北京五輪に暗雲が立ちこめてきた。
中国が開催の絶対条件として国際社会に約束した「食の安全」が“殺人ギョーザ”事件で大きく揺らいでいるからだ。
被害者が1000人を突破した日本だけでなく、米韓まで非難を強めている。中国発の新型インフルエンザの世界的
流行まで懸念されており、8月の五輪開催に重大な危機が迫る。
中国は国家の威信をかけ、北京五輪を成功させようとしている。北京市内にあるメーン会場「国家体育場」
(通称・鳥の巣)でも、8月の開会式に向け、急ピッチで建設作業を進めている。
その矢先に、“殺人ギョーザ”事件が発生しており、中国当局が受けた衝撃も図りしれない。
無理もない。中国の食の安全を統括する国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副局長(当時)は昨年10月、
本紙などの取材に対し、「食品に関する非常に厳しい基準と監視システムを設けた。万一、問題が発生しても
どこに原因があるか追及できるシステムを構築した」と胸を張っていたほどだった。
ペットフードや練り歯磨き、養殖魚など中国産の有害物混入が相次ぎ、五輪への不安が世界に広がったのを受け、
中国は食品の安全管理体制を大急ぎで整備してきた。
「確かに、零細な食品工場もあるが、五輪ではHACCP(国際的衛生管理基準)を取得した優良企業だけが
選手や観光客に食べ物を提供する。日本の皆さんに安心して五輪に来てとお伝えください」。魏副局長は
こういって笑みさえ浮かべていた。
だが、問題の“殺人ギョーザ”を製造した「天洋食品」がまさにHACCPを取得した代表的な優良企業。
総局幹部が「模範」としてPRするため、わざわざ視察先に選んでいた工場でもあったのだ。
事態を重く見た中国政府は即座に捜査当局の介入を決め、「工場で毒物は検出されなかった」との結果を発表、
異例の早さで動いた。だが、原因は不明なままだ。
中国に詳しいジャーナリスト、富坂聰氏は「当局の落としどころとしては『証拠がない以上、努力したが、
原因が分からなかった』と迷宮入りにするか、時間がたってから『一従業員による個人的仕業だった』と
持っていくしかないのではないか」と推察する。
だが、そんな悠長なことを言ってられない国際環境が中国を取り巻く。 被害が拡大の一途となっている日本では、
世論の声に後押しされるように舛添要一厚生労働相が、輸入禁止措置を定めた食品衛生法第8条の発動に言及
している。
大統領選まっただ中の米国では、ヒラリー・クリントン、オバマ両民主党候補がともに中国製品の安全性を
批判したこともあり、ギョーザ事件を契機に米世論が一気にチャイナフリー(非中国産)に大きく傾く可能性がある。
韓国でもギョーザ事件は大きく報道され、中国批判が強まっている。2005年に中国産キムチから寄生虫の
卵が見つかり、韓国では批判が噴出した。今年になって、ようやく中韓間の輸出入が正常化した経緯があり、
今や「日米韓という包囲網が布かれ、中国が追い詰められた状況」(富坂氏)なのだ。
だが、中国政府はギョーザ事件だけにかかわってはいられない深刻な問題を抱えている。史上まれにみる
大寒波の襲来である。
現地報道によると、中国人が故郷を目指して民族大移動する春節(旧正月)直前にもかかわらず、中南部では
半世紀ぶりの大雪に見舞われた。多くの地域が長期の停電に見舞われ、南北を結ぶ交通は完全にマヒしてしまった。
政府は解放軍20万人を救助に動員する非常事態に入り、胡錦涛国家主席らが被災地入りし、「災害克服に向け、
全中国が団結するとき」と呼び掛けざるを得ない状況に追い込まれている。
>>2以降に続く