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早期留学:妻子は海外、韓国に残り働く父親1万人
中産階級の家庭にまで拡大
中小企業に通うキムさん(46)は2006年に小学生の娘二人と妻をフィリピンに送り出した「キロギアッパ」だ。
「キロギ」とは渡り鳥の雁(かり、ガン)、「アッパ」とは父親のことで、早期留学で外国に滞在する家族のため
韓国に残り単身で働く父親を指す。3年前に妻が子どもたちを連れフィリピンに行くと言い出したときキムさんは
反対したが、「英語を覚えるため」という理由から、結局首を縦に振るしかなかったという。
母娘がフィリピンへ行くときに持って行った資金は約4500万ウォン(約500万円)。これも定着資金や学費などで
ほぼ1年後には使い果たしてしまったため、最近キムさんは月250万ウォン(約28万円)ずつ送金している。
「普段の夕食はインスタントラーメンで済ませる」というキムさんは「一人家に帰ると、“このように夫婦や子ども
たちが離れて暮らすことに何の意味があるのだろうか”という思いを強く感じる」と言った。
早期留学が自由化された2000年以降、小・中・高校から留学する児童・生徒が増えたことから「キロギアッパ」
も急増、深刻な社会問題になっている。教育部統計によると、06年に海外に向かった小・中・高校の早期留学生
は2万9511人で、1999年の1839人に比べ15倍にも増えた。それだけ「キロギアッパ」も急増していることになる。
全南大学教育学部のイ・ドゥヒュ教授が昨年発表した「“キロギアッパ”の教育的希望と葛藤」という論文によると、
韓国内の「キロギアッパ」は約1 万人に達すると推算している。2000年代初めは40代の教授・医者・弁護士をはじめ
とする専門職・大企業役員・中小企業代表など高所得者が多かったが、最近は中産階級の家庭にまで広がっている。
留学先も、以前は米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなど英米圏に集中していたが、最近は英語を
公用語とするシンガポールや、インターナショナルスクールが約100校あるタイ、英語・中国語を一緒に学べる
マレーシアのほか南アフリカ共和国・フィジーなど多様化しているため、中産階級でも子どもを早期留学させる
ケースが増えた。学校教育の荒廃や英語ブームが生んだ韓国の今の姿だ。
特に、「キロギアッパ」が毎月送金する額の平均は300‐500万ウォン(約34‐56万円)が最も多く、「キロギアッパ」
の15%は自分の所得より多くの額を送金していることも分かった、とイ教授の論文には書かれている。
こうした無理な英語早期教育は離婚をはじめとする家庭崩壊を招くだけでなく、「キロギアッパ」の自殺などさまざまな
社会問題を引き起こしている。ワシントン・ポストは05年、紙面3面を割きこの問題を扱い、「“キロギアッパ”が韓国の
家庭崩壊をあおっている」と批判するなど、「キロギアッパ」には海外メディアも注目している。
ソース:朝鮮日報 オ・ユニ記者 2008/01/26 11:36:05
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