08/01/16 06:12:09
◆日本動漫愛好が中国に「民の選択」を生んだ
~日本アニメ放映禁止に抗議して、地下鉄爆破宣言をした大学生~
前回で、日本アニメの放送禁止と国産アニメの振興といった中国政府のやり方が、
インターネット上の議論を介して、中国の一般大衆からの拒否反応を招いている
経緯を取り上げた。
ただし、政府に対するブーイングは、実はウェブ上の議論にとどまっていなかった。
小さな規模であるが、リアルな「運動」が起きていたのである。
■地下鉄爆破宣言をした大学生の言い分
2007年7月4日、北京にいる友人からメールが入った。
「すごいことが起きてしまいましたよ。禁播令に抗議した大学生が、
地下鉄に爆弾を仕掛けたと宣言して捕まったというニュースを、
北京の『京華時報』が報じています。学生は大の日本アニメファン。
禁播令で日本アニメが放映禁止になると知って、それに抗議したようです」
もう一度説明しておく。
「禁播令」とは、中国の映画やテレビ等のメディア界を管轄する中国政府の
最高機関である国家広播電影電視総局(国家広電総局)が、2006年9月1日の
午後5時から8時までのゴールデンタイムに外国アニメの放映を全国一律に
禁止するとした放映禁止令である。
外国アニメの80%以上は日本アニメなので、これは事実上、日本アニメの
放映禁止に等しい。
地下鉄爆破宣言事件が起きたのは、実は1年前の2006年4月9日で、
京華時報の記事は、すでに逮捕された犯人の裁判に関する報道だった。
2007年7月になって初めて事件が公けになったというわけである。
仮名、林華という、北京の民営大学に通う大学生(20歳)は、小さい頃から
大の日本動漫好き。日本動漫を見て育ち、日本動漫が描く世界に自分の
価値を見出していた。
そんな林は、2006年春、国家広電総局が同年秋から外国アニメの放映に
規制をかけ、特定の時間帯における放映を禁止するであろうというニュースが
新聞に出ているのを発見した。
この衝撃的なニュースを知った林は、新聞を地面に叩きつけて激怒した。
中国の青少年にもたらされた、なにより自分にもたらされた、日本アニメの
すばらしい世界が奪われてしまう!
■「中国政府の文化的な差別に打撃を」
林は法廷陳述でこう述べている。
「中国(政府)が考える文化マーケットは、外国のアニメに対して文化的な差別を
持っている。僕には、こういう(政府側の)行為に対し、打撃を与える責任がある、
と考えた」
NBonline(日経ビジネス オンライン) 2008年1月16日 水曜日
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
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