08/01/05 21:38:29 卒 BE:178891463-PLT(15074)
■歌から知る「生身の隣人」
■08年年頭「記者の目」
新春の目覚めは、韓国では日本よりさらに心地よい。マンション全体がオンドル(床下温水暖房)式なので、
起きた瞬間から温かく床(とこ)離れがいい。逆に韓国人は、日本の個室ごとの暖房方式やこたつに「寒い寒い」と
驚く。
個人的に「あいまい会」なる語学サークルをつくった。韓国語があいまいな私のような日本人と、日本語が
あいまいな韓国人による勉強会-といえばもっともらしいが、酒を飲んだり、登山したりしながら、裸の隣国人を
知ろうという会である。
忘年会のカラオケボックスでは、意外な曲で盛り上がった。マッチこと近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」
(1981年)。韓国人男性メンバー(48)によると彼の学生当時、韓国の酒場でこの曲がかかると、あっという間に
客が踊りだすほどの人気だったという。
ほかに有名な日本の歌は「ブルーライト・ヨコハマ」(68年、いしだあゆみ)▽「恋人よ」(80年、五輪真弓)
▽「エンドレスレイン」(89年、X JAPAN)。
どれも日本とほぼリアルタイムで流行していたというところがみそだ。韓国政府が日本大衆文化輸入の順次
解禁に踏み切ったのは、わずか10年前の98年。ということは4曲とも、釜山など韓国南部に九州から届くテレビ・
ラジオの電波に乗ってきたか、テープなどが「密輸」されて、ヒットしていたことになる。
この際、それはどちらでもいい。大事なことは、たとえ禁じても、人の心に響くものは響く、ということである。
「あいまい会」会長になった女性(37)は釜山出身で、ブルーライト・ヨコハマの旋律が子供のころから耳底に
こびり付いているせいか、即刻この曲を「会歌」に指名した。
こうした輸入解禁以前の日本文化の流行は、韓国に潜在的にあった「日流(日本)ブーム」と呼ばれるものだ。
そしてここ数年来、新種の「日流」が止まらない。この年末年始に日本でもロードショー公開された「カンナさん
大成功です!」(鈴木由美子原作)など、韓国では昨年、日本原作映画が10本つくられた。小説市場のシェアも
昨年、日本作品(31%)が韓国作品(23%)を上回った。
まず、とにかく知ること。日本に数年前訪れた韓流は、どれほど生身の韓国を知るきっかけをつくることになった
ことか。自分の目で見れば、10年前まではとかく「加害者」対「被害者」という歴史の図式以外に発想できなかった
日韓関係が豊かなものになる。
■ソース(西日本新聞) 2008年01月05日16時30分
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