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スピルバーグ監督、北京五輪の式典顧問“降板”濃厚に
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【北京=竹内誠一郎】
8月に開かれる北京五輪で、開閉会式の文化芸術顧問に就任予定だった、米映画監督
スティーブン・スピルバーグ氏の“降板”が濃厚となった。
スピルバーグ氏はこれまでにも、中国政府によるスーダン・ダルフール紛争への対応を不満とし、
辞退を示唆してきたが、北京五輪組織委員会の幹部は「開閉会式演出案の知的財産権の帰属を巡って、
そもそも合意できていない。最近は連絡も取っていない」と明かす。
文化芸術顧問は、開閉会式の総合プロデューサーを務める映画監督の張芸謀氏に、
演出のアドバイスをする立場で、スピルバーグ氏は2006年4月に就任を要請された。
だが、スーダン・ダルフール紛争を巡って中国の姿勢を批判している、女優で
ユニセフ親善大使のミア・ファローさんら活動家から、「中国(の五輪)を支援するのか」
と批判されたことを受け、スピルバーグ氏は07年7月、広報を通じ、
「中国政府のスーダン政策に改善が見られなければ、(顧問の就任)辞退も検討する」
と示唆していた。
この間、同氏の顧問就任交渉は全く進展せず、五輪組織委の蒋効愚・執行副会長は
「契約書は作成したが、まだサインをもらえていない」という。
また、ある幹部によれば、交渉不成立を公表することも内部で検討したが、控えたという。
スピルバーグ氏側はコメントを避けている。
8月8日の開会式は、演出内容がほぼ固まり、本格的なリハーサルが3月から始まる予定。
五輪組織委は、「大部分は中国人が演出した。五輪史で初めて、組織委が外注せずに自力で
作った開会式となる」と説明している。
(2008年1月5日3時6分 読売新聞)