08/01/03 13:21:59
京都議定書の温室効果ガス削減目標達成のため、日本政府や企業が対中円借款事業で生じた
温室効果ガスの削減分を排出量として中国から買い取ることで、大筋合意していることが2日、
わかった。
日中両国政府は3月末にも予定される中国の胡錦濤国家主席の来日時に正式合意を目指す。
先進国が開発途上国の温室効果ガスの排出削減量を買い取る「クリーン開発メカニズム(CDM)」
の一環で、中国との取引が軌道に乗れば、日本は京都議定書の目標達成に向け大きく前進する
ことになる。
日本の政府開発援助(ODA)をめぐる排出量取引について、中国政府の円借款受け入れ窓口
である国家発展改革委員会の幹部が昨年12月、気候変動枠組み条約第13回締約国会議
(COP13)の際、日本政府関係者に対して基本的に受け入れる考えを非公式に伝えた。
日中両政府は正式合意後、排出量取引の対象とする事業を選定し、CDMとして認可されるか
どうか国連のCDM理事会の審査を受ける運びだ。
1980年度から始まった対中円借款事業のうち、環境関連の事業は約3割の100件。
例えば2007年度に供与を決定した円借款事業6件は、甘粛省蘭州市で小型ボイラーを集中
型熱供給施設に切り替える「大気環境改善事業」など、いずれも温室効果ガスの削減が見込
まれている。
この6件に限っても5年間で1000万~1500万トンの排出量取引が可能と試算されている。
温室効果ガスの取引価格は公表されていないが、取引が盛んな欧州連合(EU)では、2005年
に1トンあたり5~20ドル(約585~2340円)程度で取引された実績がある。
温室効果ガスを大量に排出する電力や鉄鋼などの産業界は現在、削減目標の大幅な積み増し
を迫られている。
関係者は「対中ODAで排出量取引が可能になれば、積極的に購入したい」としている。
京都議定書は日本の目標について、08~12年の温室効果ガスの平均排出量を1990年に比べ
6%(約7600万トン)減らすと明記している。
このうち年2000万トン(08~12年の5年間では計1億トン)分について、政府はCDMなどで海外
から買い取る方針だ。
しかし、昨年末までに契約できたのは計638万トンにとどまっている。
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