07/12/16 21:42:25
大阪を拠点に活動する在日コリアン3世の劇団が、国籍の意味を問いかける演劇を21日から上演する。
劇団員の国籍は朝鮮籍、韓国籍、日本国籍の三つが混在。劇では団員たちの体験も交えながら、
国籍で区別することのおかしさや悲しさ、朝鮮半島分断という厳しい現実を浮き上がらせている。
公演に向けて練習に励む劇団「タルオルム」のメンバーら=大阪市中央区で
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劇団は「タルオルム」。関西在住の7人で一昨年結成し、在日の歴史を描いた劇などを
日韓両国で公演している。21日に始まる今年最後の演劇名は「ライン」。
ストーリーはこうだ。国籍の異なる5人の劇団員が、韓国での演劇祭に参加するため
仁川(インチョン)国際空港に到着。レンタカーで宣伝写真の撮影場所を探すうち、
半島を南北に分断する非武装地帯に迷い込む。そこで北朝鮮と韓国の警備兵に出くわし、
「お前は何ものだ」と問いつめられ……。
劇団代表の金民樹(キムミンス)さん(33)は「ありのままの自分たちを描きたいと考えたら、
国籍の問題しかなかった」と話す。
朝鮮にルーツをもつ在日コリアンは、同じ家族でも、朝鮮籍、韓国籍、日本国籍と国籍が異なる場合もある。
それぞれの考え方の違いや仕事の都合などで国籍を変えることがあるからだ。
同じ民族であっても社会では「国籍」で線引きされ、差別にあう。劇名の「ライン」には、
そんな在日を取り巻く現実がこめられている。祖国を分断するのも
1本のライン(軍事境界線)ということも頭にあった。
劇中、朝鮮籍の女性を演じる京都市の姜愛淑(カンエスッ)さん(28)も朝鮮籍。
出発を前に韓国領事館からなかなか臨時旅券が出なかったり、韓国での
入国審査で詰問されたりという場面は、自分自身の体験をもとにしたものだ。
両親とも故郷は韓国だ。父親は韓国の家系譜に名を残すため韓国籍に変えたが、
母親は朝鮮籍のままだ。姜さんは「韓国籍であれば、いつでも韓国に行ける。
でも昔は朝鮮という一つの国だったし、変えることで祖国の分断を認めてしまうように思える」
と複雑な胸中を明かす。
大阪府寝屋川市の卞怜奈(ピョンリョンナ)さん(26)は、日本人の父と在日2世の母をもつ。
劇中でもふたつの国にルーツをもつ女性を演じる。「私は両方の血を大切にしたい」というせりふには、
自らの思いが重なる。
「私は日本国籍ですが、日本人でもあり、朝鮮人でもある。両方とも個性として大切にしたい」。
(中略)
《韓国籍と朝鮮籍》 47年、政府は外国人登録制度をつくって植民地支配した朝鮮出身者を
「外国人とみなす」とした。国籍欄には「朝鮮」と記載したが、法的には日本国籍だった。
その後、48年に韓国と北朝鮮が成立。韓国側の申し入れで50年から国籍欄に「韓国」も使えるようになった。
52年のサンフランシスコ講和条約発効に伴い、政府は朝鮮出身者について「日本国籍を失う」との通達を出した。
法務省の統計では05年末現在、韓国・朝鮮籍は外国人登録者の3割に近い59万8千余人。
都道府県別で最も多いのは大阪府の14万2千人。
朝日新聞
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