07/12/06 23:32:32
「クールジャパン」を狙うハリウッド(2)~ローゼン閣下こと麻生太郎、中国脅威論を一蹴
「あの国から面白いコミックが出てくるとは思わない」
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2005年から2007年まで外務大臣を務めた自民党の麻生太郎氏は、マンガ文化のよき理解者として知られる。
外務相時代には国際漫画賞を創設した。経済一辺倒で尊敬されない「金持ち日本」から、「世界に一目置かれる日本」
に飛躍する上で「マンガ、アニメは大きな武器になる」と説く。
― 麻生さんは今も本当にマンガをお読みになっているんですか?
麻生 読んでますよ。これはもう、義務として。
― 若い人たちは、麻生さんのことを「ローゼン閣下」と呼んでいるみたいですね。
麻生 たまたま空港でね。「ローゼンメイデン」というのは少女マンガ風の作品で、
どんなものかなあと思って読んでいるところを誰かに見られたんだな。
― マンガ、アニメといった日本のコンテンツが世界の注目を集めています。
麻生 米タイムズ誌が2003年に「アジアはJポップス、Jファッション、ジャパニメーション(日本のアニメ)の
3Jに席巻されている」と書きました。表紙は椎名林檎ですよ。ある人に「椎名林檎を知ってるなんて偉い」
とほめられたけど、あれは娘に教えられたんだな。
それはともかく、最近、ニューヨークの高級な寿司屋に行くと、マグロは「TUNA」ではなく「TORO」と書いてある。
英語で牛は「カウ」か「ブル」だけど、レストランに行くと(フランス語で成肉牛を意味するブッフを語源とした)
「ビーフ」になる。あれはフランスの食文化に対する尊敬の現われでしょう。そう考えると日本の文化的な立場
というのも、確実に上がってきている。「カワイイ」や「モッタイナイ」もそのまま英語で通じるようになった。
飯倉公館にご招待する外国のお客さんに「何が食べたいですか」と聞くと、ほとんどが「日本食」と言う。
だから外務大臣は週に3回か4回、懐石料理を食べることになるんだけど。皆さん日本通で、ハシの使い方なんか、
日本の若者よりずっとうまいからね。
― 昔、阪急グループの創始者、小林一三氏が、国には「憐れみを受ける国」「可愛がられる国」「尊敬される国」
の3つのステージがある、と言いました。
いま「クールジャパン」と言われているのは、まだ面白がられている段階で「尊敬される」レベルに至っていないのでは
ないでしょうか。
▼給水車のタンクに「キャプテン翼」を描く
麻生 尊敬される条件というものがあるよね。子供の頃、学校の外で尊敬されるのは腕力の強い番長、
教室で尊敬されるのは勉強ができる級長と相場が決まっていた。腕力がなくて勉強もできない
金持ちの子というのが一番いじめられる。自分が金持ちのセガレだったから、そのへんはよく分かる。
金持ちは好かれませんよ。
国も同じなんですね。腕力は軍事力、勉強が文化水準、お金は経済力。
お金だけの日本は一番いじめられるタイプだった。最近ようやく、ちょっと勉強もできるようになって一目置かれ始めた。
自衛隊はインド洋沖の給油活動が認められ、イラクでもその規律の高さが評判になった。力もついてきているわけだ。
― 勉強で一目置かれるようになる過程で、マンガやアニメが果たした役割は大きいというのが麻生さんの持論ですよね。
麻生 そう。日本の自衛隊が復興支援していたイラクのムサンナー県というところでは、タンクに「キャプテン翼」の
大きなステッカーを張った給水車が走ってますよ。日本のODAで提供した車です。
最初は「タンクに大きく日の丸を描く」というから、僕はこう言った。
「君たち、ぱっと見てイラクとイランの国旗の区別がつくか」と。それでイラクの人たちが知っている日本のものは何か、
と聞いたら「キャプテン・マージド」だと言う。「キャプテン翼」をあちらではこう呼んで、大人気なんですね。
じゃあそれで行けと。キャプテン翼の給水車はまだ一度も襲撃されてませんからね。
>>2以降に続く