07/12/05 14:00:54
「当然の法理」へ挑戦今年も 川崎市在日職員 2007-12-05
生活保護ケースワーカーへ 4度目の異動申請
金本大祐さん
URLリンク(www.mindan.org)
【神奈川】生活保護のケースワーカーへの異動を希望している川崎市の一般事務職員が、
韓国籍という属性を理由に過去3度、門前払い同然の扱いを受けていたことがわかった。
市は「公務員に関する基本原則」を具体化した市の「運用規程」に抵触するためとしている。
最近も4回目の申請を出し、来年3月に出る結果を待っている。
「自己実現あきらめない」
この職員は韓国籍を持つ金本大祐さん(32)。98年4月、川崎市の一般職に外国籍者としては初めて採用された。
これまで港湾局、教育委員会、健康福祉局と歩んできたが、本来の希望は生活保護のケースワーカーだ。
02年を皮切りに05年、06年と直属の上司に異動を希望してきたが、かなえられていない。
「運用規程」が現実に、外国籍当事者の希望を阻むという事例が明らかになったのは、これが初めて。
緊急入院して本人自ら意思行為のできない人のため、自らの職権で生活保護の申請をする
「措置」をとることも「公権力の行使」にあたる、というのが市側の見解だ。
同じく被生活保護者宅の生活状況を管理、チェックしながら「変更」「停止」
「廃止」といった手続きを行うことも該当するという。
これに対して、金本さんは「すべての行為は法律の枠内で行われ、上司の決裁が必要となる。
個人が公権力を行使しているわけではない」と反論している。金本さんが
今回4度目の人事異動願いを出したことについて市人事課では、
「ケースワーカーの職務全般が抵触する。公権力を行使する部分とそうでない部分を
切り分けることができるかどうか、検討しているところ」と話している。
金本さんは「最低生活費を割ってしまうような本当に困っている人が救われない現実。
こうした人たちに対して保険、年金、就職などの生活上の問題で全面的に支援できる立ち場。
それをやりたい」という。実現したら申請を待つのではなく、地域に出て困っている人を探す
「アウトリーチ」をやりたいと、夢をふくらませている。
金本さんが使命感を燃やすのは、自らの生い立ちも関係している。生まれは千葉県南房総。
中学生の時に古物の商いをしていた父親を亡くした。生活苦の一家を支えたのは周囲の
心ある複数の日本人だった。深夜労働など、あらゆる労苦を体験しながら都内の私立大学を卒業した。
金本さんには「困っているところからはい上がってきたから当事者の立場に立った
アドバイスができる」という自負がある。
ケースワーカーは「奉公3年」という言葉に象徴されるように、市職員が敬遠しがちな職務とされる。
市基準では被保護者80人に1人の職員を置くことになっているが、現実には1人で100人ほど
抱えているという。市人事課では「来年3月までには結論を出したい」と話している。
(2007.12.5 民団新聞)
URLリンク(mindan.org)
>>2に続く