08/06/20 15:11:09 1qvSWuOV
個人ブログにありましたが、URLつきだとなぜか書き込めません
ameblo entry-10103967764 裁判員制度は家族の問題 などのキーワードで検索してください
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◎『中国新聞』連載コラム
「今を読む:裁判員制度は家族の問題」 池内ひろ美著
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「まったく、なんでこんなことを始めるんでしょうね」。初老の男性がため息をついた。来年五月に始まる裁判員制度のこと。
来所したのは夫婦関係の相談のためだが、裁判員制度へのスタンスでも夫婦喧嘩になったという。
「妻は、人を裁くのなんか嫌、行かないですむ方法を考えろって。私 だって凶悪犯を見るのは怖いから参加したくない。
でも、無茶でしょ う?」確かに無茶な話だ。選ばれたら、嫌だから怖いからと拒否はできな い。七十歳以上なら辞退できるが、
この男性は六十七歳。正当な理由な く呼び出しに応じなければ十万円以下の過料を払わなければならない。
父母の葬式は正当な辞退理由となるが、兄弟やいとこでは駄目。男性 のご両親はすでに鬼籍にある。国会議員や自衛官、
警察、弁護士は裁判 員になれないが、彼は民間企業の役員。裁判員になる資格がある。男性とその妻のような人々は多い。
四月、最高裁が発表した全国意識 調査では、八割以上が「参加したくない」と回答。それに、裁判を忌避 するのは洋の東西を問わない。
アメリカでも陪審員に選ばれない方法を 書いた本がロングセラーだ。少なくとも日本の場合、忌避の感覚は「面倒だから」ではないと思 う。
日本の裁判員制度は陪審制とまったく異なるのだ。有罪か無罪かだ けでなく、量刑もみずから判断する。
死刑か、それとも無期懲役かとい う、究極の判断まで迫られることがあるのだ。最高裁の調査に、四分の 三が
「被告の運命を決めるため責任を重く感じる」と答えたのも納得で きる。ひとたび裁判員となり公判や評議に出ると、
少なくとも数日間拘束さ る。しかし、私がこだわるのは法律論ではなく、家族に「秘密」を抱 えなければならない点だ。