08/03/06 08:19:53 6FmYf6uj
不幸にも日本の高速道路では毎日、何人かの死者が出ている。頻繁に起こるため、
ありふれた交通事故の新聞報道はわずかだ。
だが、めったに起こりえない海上自衛隊のイージス艦と小さな漁船の衝突事故という
最近のケースでは、マスメディアの無責任な報道と国会でのいくらか感情的な議論によ
り、悲惨でまれな事故が実質的に国の緊急事態に変質してしまった。
イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故に関し、すべての事実を分かってい
るふりはしない。しかし、多くの漁船が行き交い、他の船舶も航行する中での入港に伴
う危険は知っており、海自の専門能力も承知しているので、惨事をめぐるメディアと国会
の素人のような議論に驚き、失望した。
大型であろうが、小型であろうが、いずれの船も安全航行に責任があり、通航が混雑
している中では、注意深く進むことが求められるものの、大型船より小型船の方が操作
しやすいというのは常識だ。
大型船が香港であれ、東京湾であれ、入港する際に、漁船のような小型船が周囲に
多くある中で操舵(そうだ)して進もうとするのは不可能だ。
大型船は妥当なゆっくりとした速度で航行し、小型船は大型船を通過させるようにかじ
を取る。私の知る限り、「あたご」は監視員を艦橋に置くなどした上で、適切なスピードで
進んでいた。
安定して航路を進むために自動操舵にしていたかもしれないことを理由にイージス艦側
を無責任だと責めるより、「清徳丸」が警戒していたのなら、なぜ進路から外れなかったの
かと問う必要がある。吉清治夫さんと哲大さんは疲労で居眠りしていたかもしれず、付近
にいた他の船からの警告に反応しなかったのではないか、と誰も疑問を示してはいない。