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「娘の死、風化させない」 短大生死亡事故 公訴時効成立 父、癒えぬ悲しみ語る
岡山市の路上で2002年12月、短大生だった同市の中桐裕子さん(当時19歳)が、
酒気帯び運転の軽乗用車にはねられ死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検され、
地検が4度目の不起訴処分とした運転者の女性(23)の公訴時効が22日午前0時に成立した。
法廷での原因究明を願い続けた裕子さんの父で会社員、裕訓さん(56)は遺影を前に、
今も癒えない悲しみを語った。
裕訓さんは「裕子の自転車が飛び出したのが原因だったとする地検の鑑定結果は納得いかない」と、
自ら交通事故鑑定人に依頼して鑑定書を作成。岡山検察審査会や地検に提出するなどしてきた。
しかし、4度目の不起訴を決めた検察側の処分の理由は「飲酒の有無にかかわらず、女性が事故を
予見でき、回避できる状況にはなかった」だった。
裕子さんは3人姉妹の末っ子。動物が好きで、たびたび捨て猫や捨て犬を拾ってきた。
将来、動物を世話する仕事に就くことが夢だった。裕訓さんはほほ笑む遺影を見つめ、
早すぎた死に、「(親と)順番が違うだろ」と話し掛けるという。
21日夜、裕訓さんと妻の真理子さん(53)は仏壇に向かい、お経を唱えていた。毎年訪れる、
つらい夜。今年は特別だった。そして、夫婦で時効の瞬間を無言で確認。「もっと何かできたのでは
ないか。複雑な心境です」と無念さをにじませた。
裕訓さんは飲酒運転をなくすため、各地の事故の遺族と連携している。「そのためにも、娘の死を
風化させてはならない」と語った。
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