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東京―大垣駅(岐阜県)間を結び、かつて「大垣夜行」と呼ばれたJRの夜行快速
「ムーンライトながら」の毎夜運行が今年度末で終わる可能性が強まっている。
JR東日本とJR東海が取りやめの方向で検討しているからだ。鉄道ファンから
旅の手段として重宝がられている人気列車。乗客が多い時期の臨時列車だけは
かろうじて残りそうだ。
新幹線や飛行機、深夜バスに押され、ブルートレインなどの長距離夜行列車が
次々に姿を消している。JR関係者によると、「ながら」が毎夜走らなくなる
のも同じ理由という。
JRによると、「ながら」の前身は、東京―大阪間を結んでいた夜行普通列車
らしい。これが68年10月のダイヤ改定で廃止される方向になると、存続を
望む声がわき起こり、当時の石田礼助国鉄総裁の決断で、東京から美濃赤坂
(岐阜県)に至る下り列車と大垣から東京に行く上り列車が残った。翌年
10月のダイヤ改定で下り列車の終着駅は大垣に変更され、その後、正式な
名前のない列車が「大垣夜行」と呼ばれるようになったとみられる。
JR全線の普通列車が一日中乗り放題になる「青春18きっぷ」と相性が
いいのが「売り」だった。鉄道ファンや貧乏学生たちは日付が変わって最初に
止まる駅まで近距離切符で乗り、その後は青春18きっぷのメリットを最大限に
生かす旅が満喫できた。
例えば東京駅発車が午後11時40分ごろだった頃、東京から出発する時は、
横浜までの440~450円の近距離切符と、1枚2260~2300円の
青春18きっぷがあればよかった。
96年3月のダイヤ改定で快速に。同時に「ムーンライトながら」と命名され、
長良川の鵜(う)飼いを図案化したヘッドマークが登場。ただ、一部区間で
指定席が導入され、その分の料金がかかるようになったのはファンに不評
だった。さらに、07年3月に東京駅発車が30分早まったため、近距離切符は
小田原までの1450円分が必要になった。
今年度末に予定されているダイヤ改定で毎夜運行が終わっても、盆や正月など
乗客が多い時期だけ運行されている臨時列車は残る方向という。
(鈴木剛志)
廃止が取りざたされている深夜快速「ムーンライトながら」
=8月29日、JR東京駅、小林正明撮影
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下り「ムーンライトながら」の主な停車駅と到着時刻
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