08/08/22 20:10:23
アニメーションは、頭の中で望んだことを描き動かすもの。作り手の嗜好を忠実に映像化する
ことができる。そして作り手は、視聴者の欲望をいかに捉えるかに常に腐心している。だったら
アニメを通して時代の欲望が見えるのではないか? そんな仮説を手に、日々アニメ制作に臨む
監督たちにインタビューを申し込んでみた。まずは「コードギアス 反逆のルルーシュR2」の
谷口悟朗監督にうかがってみよう。
― 「相手の目を見て命令するだけ」で相手を意のままに操ることができる、時には人を自殺させる
ことさえ可能な特殊能力を持った主人公が、自らの信じるところに従って世界を動かそうとする。
そんな過激な設定と、毎回必ず山場を作るエモーショナルな展開で話題となった「コードギアス
反逆のルルーシュ」が、10代、20代を中心に絶大な人気を得ています。
放送枠も、第1作目の深夜から、第2作目「R2」では日曜の17時台に“出世”して、ブームはさらに
加速していますが、作品を作る際、若い人たちの気持ちをつかむために、どのような方向性が
あると考えましたか。
谷口: 「コードギアス」を作るにあたって、まず最初にやったのはリサーチだったんです。今の
お客さんが望むものは何か、彼らの心の在り方は。それは自分たちが10代だった頃とどう違って
いるのか。最初は、若い人に支持されている映画や、テレビ番組、舞台、小説を見ていたんですが、
作品を分析しているだけではある一線以上は分からなくなってしまって、それで学校の先生に
取材してみたんです。
― 10代からのお客さんをターゲットにするために、今の子供たちを知る学校の先生に話を聞くと。
先生の目線から見たときに、今の学生さんの傾向はどういったものに映るのか。もしも私たちの頃と
メンタリティがかけ離れていたら、もうその人たちに向けたアニメは作れないでしょう。だから
確かめてみたんです。そうしたら、結果は……。
― いかがでした?
最終的に出した答えは「変わっていない」でした。今の世代がどうこうではなくて、変わっていないと。
変わっていないからこそ、彼らに向けて発信できるなと思ったんです。
NBonline
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
続き >>2-5