08/08/18 18:02:51
平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター「せんとくん」をあしらった同祭のPR懸垂幕について、
主催者の事業協会が奈良県と奈良市に庁舎での掲示を依頼したところ、「造形美にふさわしくない」
などとして断られていたことが18日、分かった。
同協会はやむなく受け入れるが、県や同市は協会の構成メンバーで、いわば身内から「ダメ出し」を
食った格好。県内の他自治体は掲示を許可する方針で、協会側は「あまり無理なお願いは
できないが…」と困惑している。
事業協会は、同祭が行われる平成22年の元日500日前に当たる今月19日から、さまざまなPRを
展開してムードを盛り上げていく方針。その一環として、公共施設での懸垂幕掲示も企画し、
今年5月ごろから奈良県や県内39市町村などに協力を依頼した。
ところが、県は「庁舎の造形美にふさわしくない」などとして7月、同協会に掲示拒否を回答。
名勝・奈良公園近くにある県庁は古都らしく寺院をイメージした回廊型で、平成10年には国の
「公共建築百選」にも選ばれており、県管財課は「周辺には外国人観光客なども多く訪れる。
造形美を誇る庁舎にせんとくんをデザインした懸垂幕を掲げれば、違和感は避けられない」としている。
一方、奈良市は中核市に移行した14年以降、懸垂幕を含む屋外広告物について、景観保全のため
県よりも厳しい独自の規制を設け、民間への行政指導を強化しており、今回の依頼について、
県と同様に固辞した。市景観課は「一般論として、屋外広告物を取り締まる立場である市の庁舎に、
派手な懸垂幕を掲げることはできない」としている。
ところが、県と奈良市を除く県内38市町村は、19日から一斉に庁舎で懸垂幕を掲げる方針。
同祭は、奈良市の平城宮跡が主会場となるため、“地元”だけに断られた格好だ。
事業協会は「県も奈良市も身内だが、あまり無理なお願いはできない。協力できる範囲で
アピールしてもらえれば」としている。
せんとくんは当初、角を生やした異色のデザインが「気持ち悪い」などと不評だった。
しかし最近では、抜群の知名度が逆に人気を呼び、「500日前」に合わせてお披露目される
せんとくんの着ぐるみには、デビュー前から40件を超える出演オファーが官民から殺到。
奈良市内で17日まで開かれた、まんとくんの公募作品を飾る展示会に“ゲスト出演”して
友好ムードも漂わせていたほか、10月には、先輩格の「ひこにゃん」を生んだ滋賀県彦根市で
開催される「ゆるキャラまつりin彦根」への出演も決定している。
MSN産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)