08/05/30 23:19:39
アニメ製作会社GDHは、平成20年3月期通期(19年4月~20年3月)決算を5月30日に発表した。
GDHの決算はもともと5月16日を予定していたが、
会計監査人トーマツとの協議に時間を要したことから、2週間遅れての発表となった。
GDHと会計監査人の協議の中心は、アニメ作品の販売計画や回収の可能性に関する数値の確定である。
そして協議の結果、昨今のアニメ産業の環境とこれまでの実績を踏まえて、
より保守的に数値の見直しを行った。これにより、平成20年3月期のGDHの決算は
当初業績予想を大幅に下回り、売上高は前年比でマイナス、利益面でも大幅な赤字となった。
連結売上高は68億5300万円と前年比21.3%減、当初予想から26.3%減である。
また、当初黒字予想であった営業利益は33億3700万円のマイナス、経常利益は34億9200万円のマイナス、
当期純損失が37億5200万円と前期に引き続き厳しい数字となっている。
業績予想を大きく下回ったのは、主にアニメ事業に関連する部分である。
アニメの企画・制作の売上高、北米を中心とした海外販売が計画を下回ったためである。
さらに、海外ライセンス売上高の一部を会計監査人との協議の結果、翌期以降に繰り延べした。
また、会計監査人との協議の結果、アニメ製作の製作委員会の出資金について13億1300万円の評価損を
計上した。さらに企画開発・制作中のアニメ作品についても7億8600万円の評価損を計上した。
さらにグループ会社への売掛金、持分適用会社への貸付債権に対して、4億1800万円の貸倒引当金、
投資有価証券の評価損3000万円が計上されている。この結果営業利益で35億3700万円、
経常利益で35億9200万円の未達となった。
事業セグメント別では、アニメ制作を行うコンテンツ事業は売上高34億7700万円(前年比14.0%減)、
営業損失5億9800万円である。
期中の主要制作作品は、『瀬戸の花嫁』、『風のスティグマ』、『ロミオ×ジュリエット』、『ぼくらの』、
『ドラゴノーツ-ザ レゾナンス-』、『ロザリオとバンパイア』などのテレビアニメシリーズである。
ライツ事業は苦戦をし、売上高は18億7300万円(前年比50.6%減)、営業損失は18億1800万円となった。
主要作品は版権収入では『RED GARDEN」、『N・H・Kにようこそ! 』、
『パンプキン・シザーズ』、『ブレイブ ストーリー』、『ロミオ×ジュリエット』、『ぼくらの』
などである。また、『マスター オブ エピック~The Animation Age~』、『RED GARDEN』、
『パンプキン・シザーズ』、『ぼくらの』ではビデオグラム(映像パッケージ)発売事業も行っている。
好調だったのはオンラインゲーム事業(ゴンゾロッソ)が中心となるメディア事業である。
『ナイトオンライン』、『Master of Epic~The ResonanceAge Universe~』、
『ドルアーガの塔~The Recovery of BABYLIM~』などを含む5タイトルを手がけたほか、
アジア地域での海外事業が成長した。
売上高は12億9700万円(前年比57.9%増)、営業利益は4200万円(同4.2%増)である。
GDHは今回の決算を踏まえて、今期はアニメ事業での事業リスクの極小化を最優先課題とし、
事業収益の改善を行うとしている。また、ブロードバンド向けの事業、
アジア地域のオンラインゲーム事業に力を入れる。
平成21年3月期の連結業績予想は売上高80億円、経常利益2000万円、当期純利益1000万円である。
animeanime.jp
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GDH
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