08/04/22 12:36:52
前回、中国の高度経済成長が生み出した「80後」世代の胸の内を覗いてみた。エリート予備軍として
期待されている彼らは、「大人になんかなりたくない」という。まるでいつぞやの日本の若者の
ようでもあった。そして彼らは、日本のポップカルチャーの影響を強く受けていた。
今回は、そんな中国の若者を取り巻く「市場」の話をしてみたい。
それは日本の1980年代以降に顕在化したアニメやマンガ(以後、中華圏の言い方にならって
「動漫」と呼ぼう)を主とするオタク文化の「産業化」や「市場」の創出が、ここ中国でも起こるの
だろうか、というテーマである。
■ 中国に「アニメ市場」は成り立つか?
もっといえば、台湾や香港では1990年代に、日本アニメやドラマの好意的受容が起こっている。
そこには近代化や民主化をまがりなりにも達成した東アジアの若者同士の「同時代性の共有感」
があったとされる。それら中華圏の周縁地域では、単なる流行やブームではなく、いわば動漫
文化市場が各地で創出されたのだ。同じようなことが、中国でも本当に起きているのか?
現場検証の一事例として、上海の通称「オタクビル」を取り上げよう。「80後」世代が愛好する
アニメやキャラクターグッズの専門店が集まった正式名称「1856動漫城」だ。
「動漫城」は、上海のメディアを束ねる国営の上海文化広播新聞伝媒集団(Shanhai Media Group)
が2005年12月、専門アニメチャンネルの事業多角化のために鳴り物入りでオープンさせた
ショッピングセンターである。
どんな商品が売られているのだろうか。当然、動漫好きの「80後」世代を当て込んだビジネスだと
思われるが、賑わいのほどはどうか。そういうスポットならば、メイドカフェの子たちが存在を
指摘していたようなオタクにわんさと出会えるのだろうか。
中国の動漫文化に関連する消費市場を体感するには格好のスポットだ。これは興味津々。
行ってみねばなるまい。
はじめて訪ねたのは、昨年9月末、国慶節の前日の午後だった。場所は、上海の商業地の中でも
一等地といえる地下鉄2号線「静安寺」駅の近く、南京西路に面していた。
NBonline
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