08/04/12 01:02:58
■ Second Lifeの“失敗”から得た教訓いかす
ai sp@ceのSecond Lifeとの違いは「徹底したセグメント化に尽きる」と太田副社長は言う。
美少女ゲームファンに特化することでユーザー層を細かく限定。結果的に女性を切り捨て、
マーケットも30万人程度とみるが、それだけ濃いコミュニティーが構成できると展望する。
Second Lifeには、一般のMMORPGのように、ほかのユーザーと一緒に敵を倒したりクエストを
クリアする、といった目的がなく、「何をしていいか分からず、すぐ飽きる」とも指摘されていた。
ユーザーの属性も国籍もばらばらで、体験も言語も共有しにくい場だったと、太田副社長は分析する。
対するai sp@ceには、すでに同じゲームをプレイした共有体験を持つユーザーが集まる上、
その世界観はアニメやゲームなど別メディアでも展開されており、ai sp@ceの“外”のネタで
ユーザー同士が盛り上がることもできる。運営側も、イベントを主催したり、クエストを設定して
新たなネタを投入する。
加えて、ユーザーが美少女キャラ(「キャラドル」と呼ばれる)の動きやせりふを自由に作ったり、
キャラを使った動画やゲームを作成することも可能。こういった機能がユーザーの創作意欲を
刺激し、ユーザーからも“ネタ”が投入されると見る。
ユーザーの自由度を最大限に高め、コミュニティーに参加している感覚や、自ら世界を創っている
感覚を味わってもらう―「ニコニコ動画」で培ってきたコミュニティー運営のノウハウをいかしていく。
ニコニコ動画とIDを共通化し、「ニコニコアニメチャンネル」と連動させることで、ニコニコ・ai sp@ce
双方が盛り上がることを期待する。
■ 「アキハバラ島」、実際のアキバと協議して実現させたい
それぞれのゲームの世界観を1つの「島」で再現する仕様。島は、1つ当たり2000万円程度で
構築できるといい、半年に1島のペースで増やしていく。コンテンツを提供するメーカーは
現在のところ3社だが、今後増やしていく。
各島のハブとなる「アキハバラ島」も設置。現実の秋葉原にそっくりな世界にし、地方に住む人が
秋葉原の雰囲気を気軽に体験できるエリアにしたいという。建物やロゴなどを無許諾でそのまま
再現すると、著作権法や不正競争防止法上の問題になる可能性もある。今後、秋葉原駅前
商店街振興組合などと話し合いを進め、できるたけ現実の秋葉原に近い街にしたいという。
■ 「ニコニコ島」も作りたい
将来は、女性向けゲームの世界を再現した「島」も構築していきたい考え。最終的には、
Second Lifeのような自由な「島」を作り、キャラクターもモーションも、ユーザーがゼロから
作り出せるようにする―といったことができれば理想だという。
太田副社長は「『ニコニコ島』を作りたい」と話す。ニコニコ動画で人気のキャラクターが歩き回り、
仮想世界の中で起きたことをニコニコ動画で生放送する―といったことを想定。「いろんな
キャラクターが歩き回るカオスになるだろう」
「ネット上の行動の起点が、テキストをベースにした検索から動画に変わっている。3次元世界が
ネットの最初の起点になる時代が来るだろう」―そんな将来に向かってドワンゴが、実験を始める。