08/03/13 20:39:15
米国のベンチャーキャピタルVenrockが、米国の投稿動画共有サイトcrunchyroll.comに405万ドル
(約4億1000万円)の資本投資をすることが、米国のアニメ関連企業に大きな波紋を巻き起こしている。
crunchyroll.comが、著作権者未許諾の日本アニメとマンガの視聴サービスを主要事業のひとつと
しているためである。
この資金調達の発表に対して米国の最大の日本アニメ流通会社であるファニメーションは、
同社はcrunchyroll.comに度々削除要求を行っており、その要求には応じているとしている。
しかし、同時に同社の運営については注意深く見守っていると発表した。さらに crunchyroll.comの
ようなサイトが存続すれば、米国におけるアニメ産業を破壊することになると述べている。
さらに米国で日本アニメの流通・販売を行うバンダイ・エンタテインメントは3月12日に、この
ファニメーションの声明の全面的な支持を公表した。また、今後は日米の権利者と協力して
違法なダウンロード行為に反対する行動を取っていくとしている。
Venrockは米国の老舗ベンチャーキャピタルで、創業段階のベンチャー企業への投資を得意と
している。特に情報産業や新技術を持つ企業に集中投資を行っている。これまでの投資企業の
なかには、インテルやアップル、ダブルクリックなどがある。Venrockは自社サイトでは
crunchyroll.comの投資についての情報を提供していないため、crunchyroll.comのこうした
ビジネスモデルについてどのよう見解を持っているかは明らかでない。
しかし、両社の声明にも関わらず、現在crunchyroll.comのウェブサイトでは、「Anime」、「Manga」の
カテゴリーが最も大きく掲げられおり、著作権者未許諾の日本のアニメとマンガが大量に
存在している。これらは、無料でダウンロード出来るようになっている。
crunchyroll.comに対して、バンダイ・エンタテイメント、ファニメーションが今後どのような対応を
とっていくか分からない。しかし、 crunchyroll.comがベンチャーキャプタルから資金調達を
行うことは、米国でファンサブと呼ばれてきた日本アニメの自主翻訳の違法配信、ファイル交換が
新たな局面に入っていること示している。
これまではファンサブは、日本アニメの普及や作品を愛するが故の行為とされてきた。
しかし、ここ1、2年で、無償の行動をビジネスとして利用する動きが見られるからだ。
ベンチャーキャピタルからの資金調達は、多くの場合は会社組織として事業を拡大することが
目的である。crunchyroll.comが現状のまま違法なアニメ・マンガコンテンツを放置すれば、
違法コンテンツのうえにビジネスを築くことになる。また、違法行為ではあるが、ファンサブを
作る米国のアニメ・マンガファンの無償の労働力を利用していることにもなる。
こうした問題は今回のcrunchyroll.comのみに限らず、現在様々な場で拡大しつつある。
例えば、インターネット上で集めたファンサブの日本アニメ作品をひとつのサイトに集めて、
一ヶ月○○ドルで見放題と課金サービスを提供しているサイトも現在複数確認されている。
海外でのインターネット上の著作権違法行為の取締まりが大変な作業であることは理解できる。
しかし、これまでの日米の著作権保有者の行動の少なさが、こうしたさらなる事態の悪化を
招いていると言えるだろう。
アニメ!アニメ!
URLリンク(animeanime.jp)