07/12/19 18:36:57
開館1周年を迎えた国内初のマンガ総合博物館「京都国際マンガミュージアム」の来館者が、
当初予想より5割増しの22万7000人に達し、うち3万人が外国人だったことが19日、わかった。
欧米のマンガ文化の研究者や政府機関の視察も多く、海外メディアの取材も40件を超えるなど、
世界に広がる「MANGAブーム」を裏付ける形。同館は「世界のマンガが集積する施設を
目指したい」としている。
「寺社仏閣のイメージが先行しがちな京都で新しい観光の顔になりつつある」。京都市観光
振興課が指摘するように、館内の芝生のグラウンドなどに座り込んで、マンガを読みふける
外国人の姿が目立つ。
来館者全体に対する外国人の割合は、ほぼ7人に1人。人気の理由は日本のマンガが世界に
浸透しつつあるためで、ロンドンからの旅行中に立ち寄ったアレックス・リッジウェイさん(26)は
「母国でも『マンガ』という言葉は良く聞くし、興味があってきました」と話す。
同館は、昭和初期の小学校校舎を改装して昨年11月にオープン。マンガと関連資料約20万点を
所蔵しており、常時4万冊の閲覧ができる。京都市と国内唯一のマンガ学部がある京都精華大学が
共同運営し、研究機関の機能も兼ね備えている。
今年夏、同館が国別の調査をしたところ、多い順にフランス16%、米国15%、イタリア10%と
欧米諸国が続いた。来訪した大学の研究者や博物館員はドイツ、スイスなど10カ国に及び、
フランスやオランダの大使館職員らも視察していた。
韓国の放送局、英語の月刊誌などマスコミの取材も40件以上。欧米からは研究・取材目的が
多いのに対し、アジアからはマンガを産業振興に生かしたいという国策を背景とした視察が
目立つという。アニメ産業などを支援する韓国政府機関や、外資を取り込んで開発が進む
中国の「工業園区」の関係者が訪問するケースもあった。
同館は外国人来館者に対応するため、当初日本語のみだった館内の案内表示やリーフレットを
5カ国語表記に変更。12カ国で翻訳された日本マンガ本など1340冊を「マンガ万博」として
新たに設置するという。
同館では「海外ではマンガに触れて日本に興味を持つ人も増えており、わが国のサブカルチャーの
代表格として評価されている。海外のマンガもまとめて読める国内唯一の施設として、ファンの
裾野を世界に広げていきたい」と話している。
牧野圭一・京都精華大マンガ学部長の話 「欧米ではマンガに詳しい個人レベルの『オタク』が
多い。一方、これからマンガやアニメを発展させようとしている韓国、中国などでは産業界が
熱心に動いている。日本のマンガは料理や釣りといった庶民文化までテーマになっており、
わが国を紹介するための重要なツール。ミュージアムはもっと大きな役割を担える可能性がある」
MSN産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
京都国際マンガミュージアム
URLリンク(www.kyotomm.com)