07/12/14 13:42:52
11月27日に東京都内で東映アニメーションの中間決算発表会が開催された。平成20年3月期上半期の同社
国内版権事業の作品別シェアは、『プリキュアシリーズ』が全体の22%でトップであった。
これは前年同期の16%を大きく上回り、2007年3月期のトップである『ドラゴンボールシリーズ』を上回った。
プリキュアシリーズは、2005年には全体の27%、2006年は全体の30%でそれぞれその年度のトップであった。
昨期はこれがやや落ち込んだが、今回の結果は同シリーズの人気が大きく復活していることを印象づける。
また、決算発表会では映画『YES!プリキュア5』の好調にふれるなど、経営陣自らシリーズの好調ぶりを
アピールしていた。
プリキュア以降は、2位『ドラゴンボール』(20%)、3位『ゲゲゲの鬼太郎』(5%)、4位『ワンピース』(3%)と続く。
しかし、全体の半分は、同社が持つ多彩な作品群から売上高が生じており、東映アニメの作品ラインナップの
豊富さを感じさせる結果となっている。
一方、海外版権事業では、『ドラゴンボールシリーズ』が全体の62%を占めた。依然、『ドラゴンボール』が世界
各地で人気であることを伺わせる。こうしたなかには、海外で人気の高い『ドラゴンボール』のコンピューター
ゲームソフトからによるものが多い。
さらに2位には『聖闘志星矢』(10%)、3位には『プリキュアシリーズ』(7%)が位置している。現在でも新作の
製作が続く『聖闘志星矢』が、国内だけでなく海外で人気が高いことがわかる。
さらに作品の海外での放映権販売からなる海外映像事業でも、『ドラゴンボールシリーズ』(26%)が、1位と
なっている。
2位には米国やフランスなどの大型市場でテレビ放映がされる『ワンピース』(21%)、さらに欧米で人気が高い
『ボボボーボ・ボーボボ』(15%)が続く。
アニメは版権ビジネスであるとよく言われる。しかし、大手のアニメ製作・制作会社の決算をみると、多くの場合、
売上高に占める割合は制作事業の割合が高く、版権(ライツ)事業や海外事業は比較的小さい。
しかし、実際には、制作事業は利益が薄く、時には利益が出ていない場合もある。一方で、版権ビジネスは
利益率が高いので、業績に対する貢献度はみかけより大きい。多くの企業にとって、版権事業が拡大する
作品をどれだけ持てるかは経営の鍵になる。
東映アニメーションは、そうした版権事業・海外事業の詳細を公開している数少ない企業である。
また公表資料からは、同社の事業が広いラインナップから売上が築かれていることがわかる。
東映アニメーション URLリンク(corp.toei-anim.co.jp)
【国内版権】
プリキュアシリーズ 22%
ドラゴンボールシリーズ 20%
ゲゲゲの鬼太郎 5%
【海外映像】
ドラゴンボールシリーズ 26%
ワンピース 21%
ボボボーボ・ボーボボ 15%
【海外版権】
ドラゴンボールシリーズ 62%
聖闘志星矢 10%
プリキュアシリーズ 7%
animeanime URLリンク(animeanime.jp)